目 次
スーパーバイザーの皆様、どう対応しますか?
フランチャイジーに提供しているマニュアルの内容は、全てが経済合理性だけを追求した結果という訳ではありませんよね。
そのため、マニュアルに定められている内容の中にはフランチャイジー側が負担に感じる事項もいくつか出てきます。
例えばユニフォームを事例としてあげてみましょう。
店舗共通のユニフォームは、例えばロゴなどを刺繍する場合は特注となりますのでどうしても割高になります。
一方、既製品のユニフォームなら大変安い価格で販売しているネットショップが多数あります。
マニュアルで定められたユニフォームではなく、安価なユニフォームを従業員に着用させればフランチャイジーはユニフォームに対する支出を抑制できることになります。
そこで加盟店のオーナーから指定ユニフォームではなく、そうした既製品のユニフォームを従業員に着用させたいと言ってきたら、スーパーバイザーの皆様はどう対応しますか?
「ルール」だからはご法度!メリットを伝えることが大切!
「フランチャイズ契約に反する行為だからそれはダメだ」
こう言ってダメ出しすることは簡単なことです。
しかし、ルールだ、規則だといった対応ばかりしていればスーパーバイザーとしての成長は望めません。
1円でもコストを省きたいというのは、FCオーナーの偽らざる本音です。
契約上の縛りとは別に「安価なユニフォームがあるのだから、それで良いではないか」という言い分には一定の経済合理性もあります。
ならばそうした経済合理性という観点から、チェーン店全体で着用しているユニフォームの必要性を理解させることがスーパーバイザーの仕事です。
つまりルールではなく、損得でメリットを伝える必要があるということです。
私がスーパーバイザー研修を行なっていた頃、実はこれと良く似た質問を投げかけ、新人スーパーバイザーに回答させたことがあります。
その結果ですが、惜しい線までいったスーパーバイザーは多かったのですが、合格点を得られたスーパーバイザーはごく少数でした。
では改めて問います。
・スーパーバイザーの皆様、今回のようなユニフォームに対するFCオーナーの要望についてどのように対応しますか、どう指導されますか。
・フランチャイザーの経営幹部の皆様、御社のスーパーバイザーは全員このような場面において正しい対応ができると自信をもって言えますか。
「損得」という観点からどのようにFCオーナーの方を指導すれば良いか、納得させれば良いかぜひ真剣に考えてみてください。
キーワードは接点・CS・ブランド
さて、回答です。
回答を考える上での重要キーワードとは「接点」と「顧客満足度(CS)」そして「ブランド」です。
この三語のキーワードだけで回答のポイントを掴めたというスーパーバイザーの皆さんは、とても優秀だと思います。
フランチャイズビジネスの本質を理解しています。
お客様はチェーン店を訪問した際、様々な接点を通じて満足度を形成させます。
「接点」に対する「満足」が繰り返されることが「信頼や安心感」となり、それが多くのお客様の中で揺るぎないものとなった時「ブランド」となります。
店舗を訪れたお客様にとって「ユニフォーム」も重要な「接点」となります。
ユニフォームという接点において安心感や信頼感を得るには、どこの店舗を訪れても同じユニフォームで自分達を迎え入れてくれるという経験が必要です。
従ってユニフォームを既製品にすることは、チェーン店のブランドを毀損することになります。
その店舗を訪れたお客様の信頼や満足度を下げることにもなり、それが店舗の売上低下にもつながるおそれがあるからです。
つまりFCオーナーが「損」する可能性が大きくなるのです・・・このような説明が必要になるということです。
尚「接点」がよくわからないという方は、このブログ記事で「接点」に関する記事を紹介していますので↓をぜひ参考にしてください。