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スーパーバイザーがFC加盟店舗を訪れた際にやるべきこととは
今回はスーバーバイザーを指導してきた経験から、スーパーバイザーが臨店指導を行う場合にやるべきことをお伝えします。
スーパーバイザーがFC加盟店舗を訪れた際にやるべきことはズバリ
「掃除」
です。
FCオーナーに対し、上から目線でダメ出しを行なうことがスーパーバイザーの仕事と思ったら大間違いです。
特に新人SVはそれだけやれば十分と言っても過言ではありません。
このように伝えると、現役スーパーバイザーの方の中にはイラっと感じた方がいるかも知れません。
が、失礼ながらそうした妙なプライドを持っている限り、厳しい環境の中で戦っているFCオーナーから真の信頼を得ることなどできません。
また、掃除をしろと言うのは体育会的根性論でもなければ、寺院における精神修業的意味合いで言っているのではありません。
「生産性」という観点で、ちゃんと合理的な理由があるのです。
SVが掃除を行うメリットとは
まず初歩的理由は、FCオーナーとの関係が良好になること。
率先して、例えばトイレ掃除などを行なうスーパーバイザーは自然とFCオーナーからの信頼や評価が高まります。
二点目はスーパーバイザーのスキルアップに、大変役立つということです。
店舗掃除を小まめに行なうと「店舗がよく見える」ようになります。
店舗の隅々まで掃除に取り組んでいれば、当然のことながら気付きにくい店舗のクレンリネス(清掃状況)が把握できるようになります。
掃除をやるべき箇所を探すつもりでじっくりと店舗を観察していたら、クレンリネス以外にも様々なことに気付けます。
例えば物品の保管状況やセキュリティー上の課題や問題だとか、店舗のディスプレイの配置の問題等々、実にたくさんのことを発見できます。
「そうした課題や問題は掃除しなくとも発見できる」
というスーパーバイザー読者の方もいるかも知れません。
が、実はそうした思い込みこそ、スーパーバイザーとしてのあなたの成長を阻害する要因です。
人間は同じ光景ばかり目にしていると光景に対する慣れが生じてしまい、ちょっとした違いに気付きにくくなってしまいます。
つまり、長くスーパーバイザーをやっていると悲しいかな「改善点や課題点が見えなくなってくる割合が経年と共に増えてくる」のです。
これを打破するために、私は自社のスーパーバイザーに口を酸っぱくして掃除を行なうよう指導してきました。
スーパーバイザーが率先して店舗掃除を行なうには、スーパーバイザーとして末永く機能できるようにするため、自身を錆付かせないようにするためでもあるのです。
もう一つのやるべきこととは
ではもうひとつのやるべきこととは何か。
それは「(他店の成功事例を中心とした)情報提供」です。
宜しいですか、情報を教示するのではないですよ!
「提供」することです。
例えるなら営業マンが法人企業の社長を攻略するため、社長が喜びそうな業界情報を仕入れて、訪問した際には必ずそうした情報を伝えることで信頼を得て商談に持ち込むといった方法がありますが、それと同じです。
直営店も含めた他店での成功事例を豊富にキャッチできる立場にあるのが、スーパーバイザーです。
店舗の売上向上や利益率の改善に役立ちそうな情報は、FCオーナーにとって常に喉から手が出るぐらい欲しい情報です。
「教えてやる」といった不遜な態度は禁物です。
「社長、耳寄りの情報がございます」ということで、営業マンののりでFCオーナーにとって有益な情報を「提供」することに徹すること。
それが、FCオーナーから真の意味で信頼され、評価されるスーパーバイザーになるための大切な取組みです。
追記
過日、フランチャイザー企業のオーナー社長から
「フランチャイジーにはスーパーバイザーに「指導して”頂く”」という姿勢を徹底させるべきだ、お前の言っていることは間違っている」
とのご意見を頂戴しました。
はっきり申します。
時代錯誤も甚だしいですね。
例えば自社のスーパーバイザーがフランチャイジーと同様に自らリスクを背負って店舗経営し、優良店に育てた経験を有する人物ばかりなら、その発想でも成り立つでしょう。
しかし何らリスクを負わない「社員」という守られた環境で、数年程度店長を経験した程度の人間から、自ら大きなリスクを背負い、文字通り命をかけて運営を行っているフランチャイズオーナーが心底教えを請いたいとなるのでしょうか。
そんな企業のスーパーバイザー諸君に問います。
諸君らは加盟しているフランチャイズオーナーから心の底から尊敬され、「あなたの指導をぜひ請いたい」と本音で思われていると自信を持って言えますか?
面従腹背ではダメだということを、諸君らが気付かなければダメです。
尊敬され、信頼され、頼られるスーパーバイザーになるには「スーパーバイザーに黙って従え」というルールが必要なのか、それとも私がこの記事で伝えているような地道な取り組みが必要か、諸君ら自身で考えてみてください。
そんなフランチャイザーがあるから、いつまで経ってもフランチャイズビジネスは詐欺だ、何だと言われ続けることに早く気付いてください。