FC加盟を検討している方々の中には、武漢肺炎、即ち新型コロナ禍でのフランチャイジー加盟は適切なのか、迷っておられる方も多いと思われます。
そこで本記事では、第三者の立場からフランチャイズ加盟のタイミングとその善し悪しについて、宅配型と店舗型に分けて解説致します。
目 次
宅配型チェーンなら迷う必要なし
一言でフランチャイズと言っても、その業態によって判断がわかれます。
わかりやすい事例からご紹介するなら、宅配型ビジネスが真っ先にあげられます。
ご承知のとおり、コロナの影響で在宅勤務の拡大や会食機会の減少により、宅配型ビジネスは全般的にのぼり調子です。
一例をあげるなら宅配ピザは、5%程度の対前年成長率が続いています。
ただ、こうした好調は、表現は悪いですがコロナ特需という見方もでき、先行きに不安を感じる検討者の声も聞きます。
この点についてですが、コロナ問題が解消すれば、多少の反動は出るでしょうが、長期的に見てそう悲観すべき話ではないと言えます。
なぜなら、日本はもともと働き方改革の一環として、テレワークを推奨・推進しているためです。
通信環境の向上もこうした働き方の後押しになっていますし、今後テレワークが更に普及・拡大することはあっても、衰退・消失してゆくことは考えにくいからです。
加えて今回の騒動で、ウイルス感染は三密を通じて起きることを私達は嫌というほど学習しました。
多数が狭い空間に集合し、長時間共に飲食する機会より、家での食事やオンライン飲み会の機会が重視される傾向は今後も続くと見て良いでしょう。
従って、宅配型ビジネスは底堅い成長が見込めると評価しています。
チェーン店の勝ち組と負け組はより明瞭に
ただし、言うまでもありませんが、すべての宅配型チェーンが成長の恩恵に預かれる訳ではありません。
ウーバーイーツなどのデリバリー支援サービスが拡大したことで、特に飲食系のチェーン店は、従来宅配を行ってこなかった飲食店との競合が生じています。
宅配型チェーンは自前でデリバリーシステムを整備してきた点でまだ優位性がありますが、優位性にあぐらをかいてしまえば、一気に脱落する可能性があります。
チェーン店としての商品力やサービス、ブランド力などの向上に努力し続けることが当然必要です。
従って、ただ宅配型だから成長や安定が見込めるとの見立てだけでの加盟は、賛成できません。
フランチャイザーが成長に向かったどんな努力を重ねてゆくつもりか、その点をシビアに追求した上で、選定を行ってください。
店舗型チェーンも実は加盟の好機
次に店舗型チェーンについての加盟ですが、私はコロナ禍の今だからこそ、好機だと断言します。
特に飲食店系は力のあるチェーン店とそうでないチェーン店の、力量差が掴みやすいからです。
例えばマクドナルドや、丸亀製麺(同社はFCではありませんが)などがそうですが、コロナ禍という大逆風を跳ねのけ対前年比以上の売上を達成。
対前年比超えが難しくとも、この厳しい環境で1割程度の落ち込みでくい止めているなら、チェーン店として合格と言えます。
ソーシャルディスタンスを確保した上で顧客を受け入れている以上、誰がどう頑張っても店舗面積あたりの顧客回転率や稼働率の低下は免れません。
大雑把に言えば、売上が例年より半減しても仕方ない状況です。
この厳しい状況を乗り越え、対前年の8割~9割程度を維持できているチェーン店なら、状況が好転すれば更に売上が増大することは間違いありません。
つまり、景気の底の状況でも売上をあまり落とさない、強いチェーン店を見極めることができるチャンスが到来していると言っても過言ではないのです。
営業利益を確保していることは最低条件
とは言え、赤字では意味がありません。
最低限営業利益が確保されていなければ、オーナーも収入が得られませんし、融資を受けての出店なら資金の返済計画にも影響が生じます。
1~2割程度の売上減でとどまっているものの、営業利益が確保できていないチェーン店はFCとしての力量がないと言えます。
この時期だから少しぐらいの赤字は仕方がない・・・
との認識は、ご法度だと考えてください。
また、昨今、経営的に苦しくなってきたとこで、激安価格でFC店舗が売りに出されているケースが見かけられます。
今だからこその好条件であり、手を出したくなるような価格事例が多数見られます。
しかしチェーン店に力がなければ、いくら出店時の費用が激安であっても事業継続は困難です。
あくまでチェーン店の収益力本位で評価するよう、心がけてください。