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FCビジネスとECサイトの相性は良くない!
事業のフランチャイズ化を検討されている経営者の方々から近年に特に多くなっている相談が、ECサイトのフランチャイズ化です。
結論から先に申し上げれば、FCビジネスとECサイトの相性はあまり良くありません。
仮にA、B、C3つの加盟店がネット上で同じ商品を販売した場合、A、B、Cはネット上で競合関係になり、実店舗のテリトリーのような棲み分けを実現することが困難だからです。
例えば各社のホームページに「九州地方のお客様はA店を、関東地方はB店を、東北地方はC店を利用してください」と告知したところで、お客様はまともに従ってはくれません。
「めんどくさい」と感じてサイトから離脱するのがおちです。
ネットワークとは区切るものではなく広くつながるもの
フランチャイズのテリトリーと言う考え方でネットを捉えるなら、ネット全体を一つのテリトリーエリアとして捉える必要があります。
ネットワークとはそもそも仕切ることを目的としたものではなく、相互に「繋がる」ことを目的として構築されている世界のことです。
そこへ、テリトリーでの仕切りが加盟店の重要な権益となるフランチャイズビジネスを持ち込むことは、かなり無理があるのです。
ネットを活かせるFCビジネスとは?
ただ、全てのFCビジネスがネットと相性が悪いという訳ではありません。
一例をあげるなら、リサイクルビジネスであればむしろネットワークの「繋がる」強みを活かせます。
九州で営業している加盟店Aと北海道で営業している加盟店Bに同じブランド、同じサイズの婦人服が持ち込まれたとして、それを各店舗がネット上で販売したとします。
中古品であれば同じブランド、同じサイズであっても品質は異なります。
ほとんど袖を通していない新品同様の状態か、それとも着古した感がある状態なのか等々の違いがあり、その状態によって価格も異なってきます。
要は別々の商品とも言って良い訳です。
そのため、AとBが同じブランド、同じサイズ、同じ色の婦人服をネット上で販売したとしても、競合関係に陥りにくくなります。
それどころか、チェーン店全体でネットショッピングモールを構築すれば、中古でそのブランドの婦人服を探しているお客様にA店とB店の二つの商品の選択肢を提供できます。
それは、チェーン店全体のサービス力向上にもつながります。
(但しこうしたビジネスモデルを確立させる場合には、実店舗のみのFC以上に難しい面、留意しなければならないことがたくさんあります。
その点は文章だけで伝えることが難しく、記事に出来るかどうか現在思案中です。)
ネットを活かせるFCビジネスはリサイクル事業だけではありませんが、決して多くはありません。
「ネットを有効活用しなければ、時代に取り残されてしまう!」
ザーもジーも、なかば強迫観念に近いような思いを抱いている経営者の方が多いですね。
少なくともフランチャイズビジネスにおいては、そうした不安や懸念は不要です。
但し、言うまもでもありませんが、本部としての情報発信ツールとしてネットを活用することは当然のことです。
また、DXについては積極的に取り組んでください。
その上で、ネットワーク上で無理に営業権を設定し、フランチャイジーに割り当てる必要はありません。
ネットは活用すべき一つの「ツール」に過ぎないことをお忘れなく!