目 次
店舗が見えなくなる現象は熱心なFCオーナーに生じやすい
スーパーバイザー諸氏へのアドバイスとして「スーパーバイザーが行なうべきたった2つのこと」という記事を書いているのですが、この中で
「店舗指導を行なっていると徐々に(店舗の課題や問題が)見えなくなってくる」
という主旨の指摘を致しました。
同じ光景に見慣れてしまうと、視覚的には見えていても気付けないことが多くなるという意味です。
これはフランチャイズオーナーにも当てはまります。
しかも悲しいかな、店舗でマネージャーを兼務しているオーナーや熱心に店舗へ足を運んでいるオーナーほど、そうした事態に陥りやすくなるのです。
店舗を隅々まで観察しているつもりでも、なぜか気付かなかったり、見落としたりしてしまう問題点や改善点が増えてしまいます。
そうした状況が顕著になってくると店舗売上が頭打ちになったり、広告費にいくらつぎ込んでもなかなか売上もアップしません。
いわゆる「スランプ」に陥ることになります。
スランプに陥った場合の対策とは
ではスランプに陥らないためには熱心に店舗へ通わない方が良いかといえば、決してそのようなことはありません。
そうした姿勢を示すことは、店舗で頑張っている従業員の方々の士気にとって大切なことです。
逆に言えば、オーナーが店舗に足を運ぼうとしないと、従業員の士気や緊張感の低下といった別の問題を招くことになります。
従って足繁く通う場合にはそうなることを前提として、対策を打つことが必要になってきます。
ではその対策です。
■顧客として”他”店舗を訪問すること
私自身がフランチャイズオーナー時代に実際に取り組んで成果があがった方法をご紹介します。
顧客として他の加盟店を訪問し、実際に商品を買ったり、サービスを利用したりするということです。
実に簡単な方法ですが、同じチェーン店であってもきっと様々な発見があるはずです。
見慣れたロゴや看板ですら、新鮮に見える場合もあるでしょう。
その結果、自分の経営的視覚が「リセット」される効果が期待できます。
ただし、ポイントをおさえておかねれば十分な効果は得られません。
ポイントとは
・決して他店舗のオーナーという立場で訪問しないこと、あくまで顧客として訪問すること
・何か発見してやろうと意気込まないこと、お客様の立場で利用することだけに徹すること
以上の二点です。
FCオーナーになってしまうと、同一チェーンの他店を訪問した場合、ポイントとしてあげたようなことが意外にできないものです。
かなり自分に言い聞かせてから、店舗訪問を行なって頂く必要があります。
この方法の狙いは、他店舗の課題や問題点を発見して自店舗に役立てることではありません。
他店舗を「顧客」という立場で訪れることで、お伝えているとおり「FCオーナーとしての視点をリセットさせる効果」を獲得することが主な狙いです。
だからこそ一般のお客様同様商品を注文し、レジに並んで支払いを行なうことが大事になってきます。
そうすれば「顧客目線」も蘇ります。
自分が加盟しているフランチャイズチェーンの商品やサービスを客観的に俯瞰して捉えることができるようになり、そうした目線の獲得が先程のリセットにつながる訳です。
●自店舗では難しい! FCオーナーの自店舗顧客利用
ここで
「その方法は自店舗でできないのか」
といった疑問をもたれたFCオーナーの方がいるかも知れませんね。
自店舗で行なおうとしても、それは無理です。
オーナー自身が顧客に徹することができなくなっている店こそ、自店だからです。
従業員もオーナーに対し、他のお客様と同様な気持ちで接することができないからです。
またこの方法は、同じ他店舗では何度も使用できません。
そのため、多少交通費や移動時間はかかりますが、近隣だけでなく遠方の店舗にも足を運ぶ必要が出てきます。
が、遠方の場合、ありがたいことにそれだけ苦労が伴うものの、近隣店舗以上の効果が期待できます。
FCオーナーの皆様、皆様がもし「見えなくなった」と感じるようになったらぜひこの記事のことを思い出し、ご紹介した対策を実践してみてください。