前回の記事に続いて「接点」について学んでいきましょう。
顧客は商品の善し悪しだけで購入を決めている訳ではありません。
五感を通じたフランチャイズ店舗との様々な「接点」を通じた評価によって、商品購入するかどうかを決めているのです。
それだけに顧客の立場からどのような「接点」があるかを正確に理解しておくことは、店舗売上の改善を図る上で不可欠なのです。
目 次
顧客との接点把握で障害となるものとは?
その「接点」を把握する上で阻害要因となるものがあります。
「店舗チェックリスト」です。
フランチャイザー企業のコンサルを行なう場合、私は「店舗チェックリスト」を破棄して頂くことをお願いします。
店舗チェックリストがあるとチェックリストに頼ってしまい、お客様の立場に立って接点を発見する感度を向上させることができなくなるからです。
また、店舗チェックリストによる店舗チェックは「管理のための管理」となってしまいます。
つまり、チェックのためのチェックとなり、お客様との接点において課題が生じていないかという意識を醸成することもできなくなるからです。
ところが悲しいかな、嬉々としてチェックリストの作成や充実に力を注いでいるフランチャイザーが多いですね。
店舗経験が乏しいフランチャイズオーナーやデビューしたてのスーパーバイザーにとって、特に運営当初は店舗のどこをチェックすれば良いか右も左もわからない状況なので、こうしたチェックリストは大変ありがたいツールであることは間違いありません。
しかし、最初からそうしたチェックリストを提供してしまえばフランチャイズオーナーやスーパーバイザーの育成にはマイナスとなってしまうのです。
チェックリストなどに頼らず、どのような接点があるかを自分自身で発見させることが、スーパーバイザーやFCオーナー(またはその店長)の店舗管理力や改善力を高める近道なのです。
接点把握のトレーニングを気付き度コンテストにしてはならない
「接点」を発見するためのトレーニングを行なう上での、注意点をお伝えしておきます。
それは「気付き度コンテスト」にしてはならないということです。
顧客と店舗の接点は無数と言えるぐらい多数ありますが、よく気付けるフランチャイズオーナーやスーパーバイザーがいる一方、なかなか接点に気付けない方もいます。
仮に接点の発見数をテストの成績で例えるなら、高得点が取れる人と取れない人の差はある程度生まれるものです。
だからといって、接点の数を競わせたり、スーパーバイザーとしての成績評価に用いたりすることは絶対に避けてください。
それらが評価されるようになってしまえば接点の発見が目的化してしまい、接点を通じて課題や問題を発見し、店舗運営の改善に活かすという本質が見失われてしまいかねないからです。
接点に数多く気付けることはどうでも良いとまでは申しませんが、気付いて終わりではなく、活かさなければどんなに多くの接点に気付けても意味がないのです。
では次回は、具体的な接点事例を考えてみることにしましょう。