売上不振は接点の何処かに必ず理由がある
お客様は店舗で販売されている商品の質や価格だけで商品購入を決めているのではありません。
その店舗との様々な接点を通じて評価し、その評価の結果として一定以上の満足が得られてはじめて商品購入に至ります。
なぜ売上が悪いのか。
その理由は、接点のどこかに問題が生じているからと考えて間違いありません。
この記事のテーマがパート4となっていることからもわかるとおり、それだけ「接点」は大切なものです。
ではさっそく続編としてテーマ3から引き続き、ケーキ店のフランチャイズをモデルに接点を探って参りましょう。
テーマ3では主に視覚での接点を考えてみました。今回は聴覚の接点を考えてみることにしましょう。
■「聴覚」の接点には何があるか
例えば店員同士の会話は接点となるでしょうか。
お客様の耳へその会話が届いた瞬間、それは接点となってきます。
もし業務上の会話ではなく私語であり、しかもうるさく感じられるような大声で会話をしていたら、店員の身なりや表情に問題がなくとも印象を害することになるでしょう。
もっともそれが瞬間的な会話で終われば、大目にみてもらえる場合もありますが、それがだらだらと続くようであれば「この店の店員は仕事に対していい加減」といった評価になる可能性が十分あります。
では業務上の会話なら接点として大丈夫でしょうか。
業務上の会話であればお客様も多少大目に見てくれそうに思えますが、実はそうではありません。
業務上の会話はお客様にとっては無関係な会話ですので、私語同様速やかに完了しなければやはり耳障りに感じられてしまうものなのです。
(余談ですが、CS(顧客満足度)調査を行ってみると「業務上の会話」に対する不満が高いという結果が良く見られます。)
まして「オイ、サッサと片付けろ!」といった乱暴な言葉遣いでの指示が耳に届けば、お客様はどのように感じるでしょうか。
店に対する心象を大きく損ねることになります。
接点はタイミングにより変化→常時チェックが必要
今度はBGMの題材に少しだけ接点の変化球をご紹介しておきましょう。
大音響のBGMは接点としてNGだということは既にお伝えしました。
では適切なボリューム音であり、またBGMとしての選曲もケーキ店に大変マッチした素敵な曲だったとします。もし店内に流れている素敵なBGMがスピーカーの不調で稀に音が途切れたり、ノイズ音が混じったりする場合があるという場合はどうでしょうか。
音が途切れたり、ノイズ音が混じったりしていないタイミングで店舗利用した方には接点上の問題はありませんが、たまたまそうしたタイミングで店舗を利用したお客様には不快感やストレスを与えることになります。
■「接点」はタイミングまたは状態も重視される
このBGMの事例からわかるとおり、接点は「タイミング」も重視されます。あるいは「状態」と言い換えても良いです。
つまり接点とは接点を把握した時点で問題が仮になかったとしても、それで問題なしと済ませてはならないのです。
お客様が店舗にいるその時点で、その接点がどう作用しているかを常に把握しなければならないものです。
店舗型フランチャイズビジネスにとって、接点とはかような奥深さがあるのです。