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アルバイト従業員のシフトコントロール・・・上手くできていますか?
アルバイト従業員が店舗運営の主力となっているFCの場合、シフトコントロールミスは大きな経営的ダメージとなります。
過剰シフトとなれば人件費増大となり、利益が圧迫されます。
過少シフトになると店舗の生産性やサービス品質の低下を招き、売上を確保できなくなったり、お客様の店舗離れを招いたりするおそれが生じます。
常に適性人員で店舗を回すことが、利益追求とCSという両輪にとって大変重要なのです。
完璧なシフトコントロールは非現実的
しかし・・・アルバイト従業員は機械ではありません。
それぞれの生活があり、また事情もあります。
例えば学生なら試験期間中の出勤は難しくなります。
一方フリーターはアルバイト収入が生活費の基盤となっているため、生活できる収入を稼げる時間数を確保してあげないと他のバイト先へ逃げてしまいます。
また、学生、フリーターに限らず、本人は出勤するつもりであっても当日急に体調不良となったり、事故にあったりする可能性だってあります。
その結果、例えば5名ほしい時間帯に3~4名しか確保できない日が生じたり、本来は2名で十分な時間帯に4名がシフトに入ったりする時間帯がどうしても生じてしまいます。
こうした適正とはいえないシフトの時間帯は、できるだけ少なくする努力は大切です。
が、100%常に完璧なシフトを実現するというのも非現実的な話です。
そこで適正人員より多いシフトとなること、あるいは少なくなることは避けられないとの前提に立った上で、そうなった場合の対策を講じておくことが経営的ダメージを軽減させる上で重要になります。
■適正人員より多くなった場合の対策
●ポスティングやチラシ配布、呼び込みを行ってもらう
まずシフト上の人員が多くなった場合の対策です。
人員が多くともその分売上をあげることができれば、結果として適正人員数に変えることができます。
そこで余剰人員には営業活動として店舗前でのチラシ配布や呼び込みを行ってもらうというのが、ポピュラーな対策です。
直販を行っていない宅配FCなら、エリアを指定してポスティングを行ってもらうと良いでしょう。
その際、当該エリアからの注文数が平均的な受注件数を上回った場合には歩合給を加算することを条件にしておくと、サボらずにチラシを撒いてくれます。
●優秀なアルバイトに店舗マネージャー業務を教える
アルバイト従業員がマネージャー業務も担えるようになれば、オーナーの店舗管理業務が軽減され、他の仕事に自分の仕事を使えるようになります。
特に他店舗展開する場合、マネージャー業務を身に付けたアルバイト従業員は新店舗で大きな戦力にもなってくれます。
適正人員を超えた時間帯には、リーダー候補となる人材を選定し、オペレーションから外してマネージャー教育を行う時間にあてるのも方法の一つです。
■適正人員より少ない場合の対策
●マイナスとなった人件費分をインセンティブとして振り分ける
適正人員より少ない場合、仮に予測売上どおりだったとすれば出勤しているアルバイト従業員に相当な負荷がかかります。
出勤してくれたアルバイト従業員は、その状況に耐えてもらった訳です。
適正人員より少なくなった分の人件費をインセンティブとして出勤したアルバイト従業員に振り分けるようにすると、ES悪化の予防になります。
●どうしても苦しい状況時には近隣店舗や本部に応援を要請する
前出の方法が取れるのは、出勤したアルバイト従業員の人数でもなんとか店舗を回すことができる場合です。
一定数を下回ると店舗は回らなくなります。
そうした状況が予見ができる場合は、一刻も早く対策を打つ必要があります。
まずはシフト外のアルバイト従業員に臨時出勤を依頼することですが、それでもカバーが困難な場合には近隣店舗や本部に応援を要請するという方法があります。
ただし近隣店舗は勿論、本部であっても迷惑をかけることになりますので、そうそう繰り返せるものではありません。
どうしてもやむを得ない場合の最終手段として利用する、といった認識が大切です。
また、他のFC店舗からアルバイトを借りた場合には言葉だけではない御礼が必要になることは申し上げるまでもありません。
●近距離での多店舗展開がアルバイトのシフト問題解消の切り札
他のFCや本部に迷惑をかけずにアルバイトのシフト問題を解消する方法はないのか?
あります。
それはズバリ多店舗展開です。
2店舗ぐらいだとそれほど効果は実感できませんが、3店舗を超えてくるとアルバイトのシフトコントロールや急な欠員時への対応がしやすくなります。
ただし、いくら多店舗展開を行っても、店舗間の距離が遠ければアルバイトのシフト問題解消にはなりません。
横浜で出店しているフランチャイジーが東京や千葉に出店する・・・
ではダメですね。
理想的には隣接するテリトリーに出店することです。
とは言え、テリトリーが自由に選べるアーリーステージのフランチャイズでもない限り、隣接エリアだけにこだわってしまえば出店自体が難しくなる場合もあります。
そのような場合には「沿線エリア」での出店を検討することがミソです。
仮に出店している店舗の最寄り駅が東急線ということなら、東急線に沿って出店すれば東急線沿線に住むアルバイトが多く集まります。
東急線沿線に住むアルバイトなら同線を利用した移動であれば負担感も少なく、他の店舗へのヘルプにも応じてもらいやすくなるからです。
多店舗展開はフランチャイズビジネスの醍醐味ですが、アルバイトのシフト問題解消の切り札にもなります。
現在悩まれているオーナーは問題を解決する手段として、ぜひ前向きに検討してみてください。