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フランチャイズビジネス活性化の切り札とは
日本のフラチャイズビジネスを活性化させる方法として、常々フランチャイザー企業へ働きかけてきたことを一つお伝えします。
それは記事タイトルのとおり、フランチャイズ加盟店のM&A市場を確立することです。
例えば自動車の場合、新車市場とは別に3兆円という巨大な規模の中古車市場が確立されています。
こうした大きな中古車市場の存在は新車市場に悪影響を及ぼしているどころか、新車市場へ大いに貢献しています。
一度新車を購入したら壊れるまで乗り続けるか、廃車する以外に方法はないと言われたら、新車を積極的に購入できるでしょうか。
中古車市場という健全なマーケットがあるからこそ、私達は安心して新車を購入することができています。
■FCオーナーにとって「出口戦略」も重要
フランチャイズ事業にも同じことが当てはまります。
加盟を検討している側にとっては「事業の出口」も重要な経営テーマであり、検討課題です。
ところがFC加盟は出口の選択肢が大変限られています。
加盟店を好条件で買い取ってくれる一部の太っ腹FCを除けば、一度加盟したら自分が死ぬまで働き続けるか、かなり不利な条件でFC本部に経営譲渡するしか方法がありません。
しかも、以前の記事でお伝えしたとおり多くのフランチャイザー企業は収支予測に対する責任感が乏しいため、新規出店における一か八かのリスクはフランチャイジー側が負う必要があります。
出口が限られる上、新規出店時の一か八かのリスクはすべて加盟者側の責任・・・・・
そんな条件下で、加盟や出店に最低2千万円はかかると言われれば、資本力の乏しい個人や中小企業が二の足を踏むのは当然です。
だからこそです。
万一事業が上手くゆかない場合でも他者へスムーズに譲渡できる市場があれば、こうしたリスクを乗り越えて加盟を検討する方々が増加することが見込まれるのです。
■中小企業にのしかかる後継問題
また、個人はもとより中小企業はそれほど組織力を有していません。
仮に法人加盟となった場合でも、実体としては経営者個人の労働力に大きく依存している加盟店は少なくありません。
そのため、加盟店の経営が順調であったとしても、経営者の個人的事情により事業を継続できなくなってしまう場合が起こり得やすくなります。
その際、「他者へ経営を譲ることはまかりならん」と主張することにどれだけの生産性があるというのでしょうか。
一番大切にしなければならないことは、その店舗を利用してくださっているお客様です。
やむなく事業継続困難となったFCオーナーを追い詰めてしまえば、店舗オペレーションの悪化を招き、それはお客様の満足度低下に繋がります。
ならば、意欲のある新しいオーナーに加盟店を任せる方がその加盟店のお客様にとって望ましいことであり、ひいてはFCチェーン店全体にとっても望ましいことではないでしょうか。
今回は主に「加盟店側の出口」を軸として、加盟店M&A市場確立の必要性をお伝えしましたが、加盟店M&A市場は加盟店を増やしたいフランチャイザーにとっても実は大きなメリットがあります。
次回パート2としてその点を記事にしたいと思います。