目 次
マニュアルは質も量も大切
本日はフランチャイザーがジーに提供する運営マニュアルについてお話します。
事業FC化のコンサルティングで大変多い相談の一つが、運営マニュアル(以下マニュアルとします)についてです。
マニュアルには留意すべきポイントがたくさんありますので、回を分けてお伝えしたいと思いますが、本日お伝えするのはマニュアルの分量についてです。
マニュアルのページ数と言っても良いでしょう。
■パワポで40ページ前後のマニュアル・・・・
事業のFC化依頼を受けたある会社より
「マニュアルをみて欲しい」
と言われて渡されたマニュアルの量を見て、私は絶句しました。
A4横、パワーポイントで作成されたそのマニュアルのページ数はわずか30~40ページ程度しかありませんでした。
パワーポイントですので各ページの文字サイズも大きく、文字数がぎっしりと言ったものではありません。
中には3~4行程度の見出しだけで終わっているページも含まれていました。
「マニュアルはこれだけですか?」とお尋ねすると、どうやら逆の意味で受けとめたようで
「はい、御安心ください。これだけです。それでもちょっと多いかも知れませんが・・・」
と申し訳なさそうに回答されたことに、更に愕然としました。
さて、ここまで読まれた読者の皆様は、本記事のタイトルも踏まえ
「きっとコイツはマニュアルは「分量が多い」ことが大切と訴えるつもりだろう」
と思われたかも知れません。
■量ありきではなく結果的にかなりの量になることが大切
ちょっと違います。
マニュアルのボリュームは多ければ良いというものではありません。
少なくできるなら、少ない方が良いです。
しかし、「まっとうなフランチャイズビジネス」に取り組むつもりなら、否応無しにマニュアルのボリュームは多くならざるを得ないのです。
某ファーストフードレストランで有名なFCチェーン店のマニュアルは、電話帳程度のボリュームがあるマニュアルが4~5冊以上に及んでいることは有名です。
しかしながら別にマニュアルの量を誇示するため、同チェーン店は分厚いマニュアルを多数用意しているのではありません。
運営に必要なことをマニュアル化したら、必然的にそれぐらいの量になるということです。
マニュアルのページ数が少ないことが意味すること
つまり、マニュアルのボリュームが少ないということは
・マニュアル化すべき事項がかなり見落とされている
もしくは
・マニュアルの書き方そのものが粗雑で、マニュアルとして十分機能しない文字量で書かれている
かのどちらか、あるいはその両方だということです。
特に中小企業のフランチャイザー企業を指導させて頂いたこれまでの経験でお伝えするなら、マニュアルとして予定されていた内容の3倍以上のボリュームが必要という場合が大変多かったですね。
つまり必要な量の1/3しかない・・・・
これほどの乖離がある訳です。
本来マニュアルとして提供されなければならない事項の1/3しか受け取れなければ、加盟したフランチャイジーが苦戦するのも当然です。
店舗経営が上手くゆかないことをフランチャイジーの経営能力のなさだと勝手に決め付ける前に、十分なマニュアルを提供できているかどうか検証することはフランチャイザーとしての責務です。
ではどのような内容を充実させていけば良いか、マニュアルはどう書いてゆけば良いか等々は改めてご紹介して参ります。