商品が良いのに売れない原因を容易に発見する方法
例えば店舗でケーキを店舗販売しているフランチャイズチェーンがあったとします。
誤解なきよう、既存のフランチャイズチェーンとは一切無関係であり、あくまで架空の事例としてお考え下さいね。
このチェーン店のケーキは美味く、しかも安価で、価格競争力があるとします。
ところがなぜか、そのチェーン店は全般的に売上が芳しくありません。
なぜでしょうか。
「そんなの理由は色々あるんじゃないの?」と思われた方は、大変良い線をいっています。
そのとおりです。
様々なことが考えられますよね。
ではそれらを全てあげて下さいと言われると、途端に難しく思えてしまうのではないでしょうか。
ところが、「(顧客との)接点」を考えれば、店舗が売上不振となっている理由を俄然発見しやすくなるのです。
「接点」とは?
「接点」とは顧客が商品を販売している企業と触れる、見る、触る、聞く、嗅ぐ等々全五感を含めて接触する場面のことを言います。
では先程のケーキ店なら、どのような接点が考えられるでしょうか。
例えば「見る」という接点で考えるなら、ケーキがいきなり目の前に提示されるはずはありませんよね。
まず店舗を発見する必要があります。
その場合、何が視界に飛び込んでくるでしょうか。
店舗の看板やロゴ、ショーウインドー、壁、入り口の扉・・・等々実に様々なものが視界に飛び込んでくるはずです。
その際看板が傾いていて、今にも落ちそうな状況だったとしたらどうでしょうか。
店舗の壁が汚れ放題で、とても美しいと言えない状態だったらどうでしょうか。
ショーウインドーがすすけていて、ちりや埃にまみれていたらその店舗に入りたいと考えるでしょうか。
では看板も壁もショーウインドーも特に問題なかったとしましょう。
店舗に入ろうと思って扉の取っ手をみたら、鳥の糞がべったりと付着していたといった場合にはどうでしょう。
女性のお客様ならそれだけで入店をあきらめる方もいるのではないでしょうか。
店舗内は更に接点だらけ・・・
では店舗に入ったと仮定して、更に接点を考えてみましょう。
どのようなものが視界に飛び込んできますか。
ショーウインドーケースやレジ、店員、壁にかけられた絵、観葉植物などなど様々なものが視界に飛び込んできますよね。
もし販売員のユニフォームが汚く汚れていたらどうでしょうか。
あるいは着ているユニフォームがケーキ店とは全く不似合いでセンスのない作業着のようなユニフォームだったとしたら、お客様はげんなりしないでしょうか。
・・・・等々お客様の視点における接点だけを考えても、実に多数あることがわかります。
また、こうした多数ある接点もお客様の視覚、聴覚、臭覚、触覚、味覚といった感覚ごとに分け、お客様の立場になって店舗の入店から商品を使うまでの流れで発生する接点を考えるようにすると、多数ある接点も芋づる式に発見することができます。
こうした接点を可能な限り洗い出した上で、一つ一つの接点で課題が生じていないかを確認してゆけば、この中から必ず売上が悪い理由を発見できるのです。
ということで、「接点」についてはまだまだたくさんありますので次回もどんな接点があるかを考えてみることにしましょう。