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FC化成功の鍵:事業のマニュアル化
事業FC化において成功の鍵となるのが、「標準化されたオペレーションのマニュアル化」です。
しかしながら、標準化されたオペレーションって、わかりにくい表現ですよね。
そこでやや乱暴ではありますが、「標準化されたオペレーション」を「事業」という言葉に置き換えてみてください。
つまり「事業FC化」成功の鍵は「事業のマニュアル化」とも言って良い訳です。
では事業のマニュアル化において、どのようなことがポイントとなるのでしょうか。
コンサルタントが得意な「横文字ばかりの抽象的な説明」ではわかりにくいかと思われます(笑)。
そこで今回の記事タイトルのとおり、「カップめん」の作り方を題材にポイントを説明することにします。
カップめんの作り方をマニュアルにできますか?
もし読者の皆様が
「カップめんの作り方をはじめて作る方にもわかるよう、マニュアルにしてください」
と言われたら、どのようなマニュアルを考えるでしょうか。
「そんなもん簡単だよ。カップめんの蓋を開けてお湯を注いで3分待つ。この1行で終了だよ。」
と思われた方もいるかも知れません。
この回答は「マニュアル」というより「要約」、あるいは「オペレーションを簡単に説明する」場合の回答としては正解です。
しかしこれでマニュアル化したとは、とても言えません。
はじめての方にとってはこんなことも不明
例えばカップめんがいきなり登場しますが、カップめんはどこからどのように調達すれば良いのでしょうか。
カップめんには種類があるのではないでしょうか。
もしあるなら、どんな基準で何を選べば良いのでしょうか。
蓋を開けてとありますが、蓋とは具体的にカップめんのどの部分をさすのでしょうか。
蓋を開けるということは、蓋を全開すれば良いのでしょうか。
注ぐお湯の温度は何度でしょうか。
何CCのお湯を注げば良いのでしょうか。
3分間とはお湯を注ぎ始めてからの時間でしょうか。
それとも、注ぎ終わってから3分間でしょうか。
・・・・・そろそろイライラしてきた方がいるかも知れませんので、このあたりで打ち止めにしますね。
が、不明な点はこんなものではありません。
カップ麺の作り方をしらない方にとっては、まだまだ質問はやまのようにあるのです。
マニュアル作りで最も避けるべきこと=こんなことは誰でも知っているだろうという発想
カップめんは今や国民食として、小学生でも作って食べることができる手軽な食品です。
だからと言って
「こんなことは誰でも知っているだろう」
という発想や視点は、事業のマニュアル化にとって最もやってはならない、避けなければならない発想や見方です。
コンサルティングをしていて痛感しますが、悲しいことにこの点を理解していないフランチャイザー企業はとても多いです。
この点への理解不足が、まだまだ日本のフランチャイズビジネスが社会から確たる信頼を得られていない要因の1つになっていると見ています。
先程の質問例で紹介したとおり、知らない方の立場になれば
「蓋をあける」
というたった一つのプロセスでも、実はもっと詳しい説明がないと正確に理解できないのです。
マニュアル化とはプログラミングのようなもの
ではどこまで細かく考えれば良いかといえば、その点はソフトウエアのプログラミングの発想に大変よく似ています。
では「プログラミング的な考え方」とはどのような考え方なのか?
なかなかコンパクトにプログラミング的な考え方を説明した記事はありませんが、参考まで次の記事をご紹介しておきます。
ざっくりわかる!プログラミングのためのフローチャートの書き方
ご存知のとおり、デジタルの世界は二進法が基本です。
ざっくりとした言い方をすれば、「YES」「NO」の選択だけで次に何をすればよいかがわかるようにする必要がある訳ですが、そうした考え方が重要になるということです。
ただし、事業のマニュアル化はそうした発想だけではなく、他にも様々なノウハウや理解しておかなければならない知見がたくさんあります。
それらは消化不良にならないよう、おいおいひとつずつ記事にしてゆくつもりです。
まずはマニュアル化の土台となる考え方として、「プログラミング的思考」が必要であることをぜひ理解しておいてください。