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最初からFCをやるつもりではなかった企業がFC企業に
「意外に多い」という言葉が当てはまるかどうかはわかりません。
フランチャイズをやるつもりがなかった企業が、FC加盟を口説かれたことをきっかけにフランチャイザー企業になったケースは私が知っているだけでも数社あります。
例えばある飲食チェーン店のケースですが、当初は直営だけで全国展開に取り組むつもりだったそうです。
ところが取引先から
「フランチャイズ加盟店になって、同じ店舗をやらせて欲しい」
と口説かれたそうです。
フランチャイザーになれば、フランチャイジーを支援、指導しなければなりません。
いくら自己責任と言っても、加盟者が失敗して万一自殺したなんてことになれば企業にとって大ダメージです。
幹部陣はみなフランチャイザーになることには消極的か、反対という立場だったと言います。
ところがその取引先が諦めることなく粘り強く自分の意欲を訴え続けたため、熱意にほだされ、その取引先に限りフランチャイズとして受け入れることを決めました。
ちなみにフランチャイジーとなったその取引先は第1号店でまずまずの成功を収め、2年足らずで2号店オープンに漕ぎ着けます。
その2号店は直営店の平均売上を上回り、こちらは大成功したと言える結果が得られましたので、この結果を契機に本部も方針転換。
フランチャイザー企業としてFCオーナー公募を開始し、その後FC店舗数は順調に増加しています。
■既存のFCだけが加盟先の対象ではない
この事例からわかるとおり、FC加盟を検討されている皆様にとって、既存のフランチャイズチェーンだけが選択肢とは限られないのです。
例えば自分が惚れ込んだ店舗があると言う場合には、仮にその運営企業がフランチャイズ展開を行なっていなかったとしても、経営者を口説くという方法だってあるということです。
■簡単には口説けないという覚悟も必要
但し
「この店舗は流行っているので、自分も経営すれば儲かりそうだ」
といった安易な動機であれば、口説くことは難しいでしょう。
それは立場を変えて考えてみればわかります。
様々な試行錯誤や苦労を重ねて現在の繁盛店を築いた経営者なら
「儲かりそうだ」
という動機しか持っていない方を、仲間として認めることはなかなかできないからです。
そうした経営者を口説くには、根底に、その店舗が提供している商品やサービス提供を通じ、お客様を幸せにしたいという情熱が不可欠です。
どんな苦難に直面しても逃げ出さず、自力で克服してみせるという自信や胆力も必要です。
一言で言えば、容易ではありません。
それでも、私がこうした方法を紹介した理由はお分かりになるでしょうか。
相手経営者を口説き落とす熱意と行動力、店舗経営に対する強い思いがあれば、加盟が実現した場合に成功する可能性も高いからです。
また、この記事を読まれた事業のフランチャイズチェーン化を検討されている経営者の皆様へ一言。
加盟店になってもらうのを口説くのではなく、加盟させろと口説かれるぐらいのビジネスモデルであれば、フランチャイズチェーンとして成功する可能性は特大だということです。