フランチャイジーは、無理にSNS活用にこだわる必要はありません。
このことは、フランチャイザー本部にも口を酸っぱくして提言しています。
(誤解なきようお伝えしておきますが、”ザー”本部は逆にSNSを積極的に”活用すべき”です)
「SNSを利用するな」とは言いませんが、SNSの価値を過大視し、それに振り回され過ぎているケースが多々見受けられます。
貴店はそうなっていませんか?
目 次
SNSは「つながり」を求める空間
ツイッターであれ、facebookであれ、LINEであれ、本来SNSは自分の交友関係に加え、関心事や共有できる考えや意見を軸に、ネットワーク空間で「つながること(コミュニティを形成すること)」が、ユーザーの主な利用目的です。
もっと砕けた言い方をすれば、「仲間作り」または「友人作り」がSNS本来の目的と言って良いです。
そのことを踏まえた上で、考えてみてください。
フランチャイジー店舗が「つながりたい相手」とは誰でしょうか。
主には「(店舗を利用してくださる)お客様」ですよね。
では逆の立場で考えてみてください。
お客様にとって対価を支払うことでサービスを提供する事業者が、自分の仲間、あるいは友人にしたい対象かどうかということです。
もしオーナーがSNSの個人アカウントを持っているなら、自分がフォローしている対象アカウントを調べればわかるはずです。
あなたは、頻繁に利用しているコンビニや飲食店のアカウントをフォローしていますか?
競合調査の目的で同業他社の近隣店舗をフォローしている場合はあるかも知れませんね。
しかし顧客としてよく利用するという理由だけで、フォローしている店舗アカウントなんてほとんどないというのが実情ではないでしょうか。
つまり、お客様は仮にヘビーユーザーであっても、それだけで繋がりたいとは思わないのです。
「情報発信=広告」となるから”つながらない”
では、お客様がフランチャイジーの各店舗をフォローする場合はどんな場合でしょうか。
「☓☓時より開店です。スタッフ一同ご来店をお待ちしております」
「○○を販売しております。ぜひご利用ください」
といったありきたりの情報告知で、積極的にフォローしたいと思うでしょうか。
店舗の営業時間や販売商品は、フォローせずとも「閲覧」すれば事足りる情報です。
店舗を利用したいと考えているお客様でも、検索して閲覧したらそれで終わりです。
結局、店舗が発信する情報とは殆どが店舗広告に過ぎず、お客様が「つながりたい」と思うほど有益な価値や情報を提供していないのです。
従ってSNSを広告の場と考え、時間をかけてあれこれ情報発信するのは時間のムダに過ぎません。
そのような時間があるなら、このブログで皆さんへ訴求しているとおり、お客様と店舗の接点を洗い出し、それらの改善に力を注ぐ方がよほど効果的です。
日々発信したい情報があるが・・・
「そうは言っても発信したい情報がある。例えば日替わりセールだとか、新商品が入荷したとか・・・」
例えばスーパーが日替わりセールの他、不定期にタイムセールなどを行う場合には、SNSは情報拡散力といった点で一定の効果はあります。
従って、店舗に大胆な裁量権が与えられており、お客様が驚くような強力なセールやイベントを毎日のように企画・実施できるなら、SNSを積極的に活用しても良いでしょう。
広告情報だと言っても
「その店舗のアカウントをフォローしてチェックしないと、その日にしか得られない”お得な情報”が提供されている」
と、フォローする必要性を感じてくださるお客様も見込めるからです。
しかしフランチャイジーにおいてそれは可能でしょうか。
店舗独自のセールやイベント実施において、一定の制約が生じるフランチャイジーでは限界があります。
また、お客様が驚くようなセールやイベントを日々実施するには、各店舗自体に相応の経営体力も求められます。
月商600万~700万で優良店舗に評価される規模のフランチャイジーでは、お客様が驚くような企画はせいぜい月に一度ぐらいが限界ではないでしょうか。
どんな場合にSNSは活かせるのか
ではどんな場合であれば、フランチャイジーはSNSを活かせるのでしょうか。
例えば釣具店FCのオーナーや店長なら釣りファンが喜ぶ絶好の釣り場スポット情報を発信するなど、店舗広告は二の次、三の次にしてお客様が知りたい情報を発信することです。
同様にゴルフ店のFCなら、人気プロゴルファーのコース攻略やスコア分析に関する情報を発する等、要はそのテーマに関心が高い方々が新たな気付きを得られるような”深い情報”を発信することです。
「それは大変だし、難しい・・・」
そう思われたなら、本記事の提言通り、無理にSNS活用を考えることは不要です。
特定のテーマに関心が高い方々は、誰もが知ってる薄っぺらな情報には見向きもしません。
要は、あなたが釣りファン、あるいはゴルフファンであれば、どんな情報を発信している人と繋がりたいかを考えればわかります。
多くのユーザーが「この人とつながりたい」と思える情報発信をするには、とことん調べ、徹底的に考察し、役立つ情報を提供する、そんな継続的努力が欠かせないのです。
それを乗り越え、一定のインフルエンサーとして活躍できる自信があるなら、SNSに力を注いでも良いでしょう。
インフルエンサーになれば店の広告などをしなくとも、SNSを通じてファンとなったユーザーがお客様として来店して下さるようにもなります。
でもそれができるのはほんの一握りの人々です。
「誰もがやっているから」
「SNSの活用は商売の鉄則だと言われたから」
程度の認識で取り組むなら、時間がもったいないです。
貴重な時間は店舗運営強化にぜひあててください。