目 次
宅配ビジネスが今後成長すると言われているが本当か
宅配フランチャイズビジネスは今後益々成長すると”言われています”。
指摘されている主な理由をあげれば
・高齢化→店舗へ訪問できないお客様の増加→宅配需要そのものが高まる
・多様な働き方ができる社会やネットワーク社会の進展→在宅勤務可能な会社や在宅ワーカーの拡大
・公共交通機関の統廃合による買い物難民の増大
といったことがあげられています。
社会変化=宅配FC成長につながるとは言えない理由
要は買い物に行かない人や行けない人が増える可能性があること、
自宅で仕事をする人が増えること、
こうした社会環境の変化が主な理由になっています。
確かにこうした社会環境の変化は、宅配FCの将来性において追い風になりそうに思えます。
しかし、こうした社会環境の変化が宅配FCの成長をもたらすかと言えば、そうとは断定できないと考えています。
■流行っていないそば店が出前で息を吹き返すことはない
何故なら、こうした環境変化は他の小売流通店舗も当然予見しており、例えばネットスーパーに至っては大手だけでなく、ローカルエリアで運営している中堅規模のスーパーまで進出している現状がすでに確認できます。
スーパーは惣菜や弁当も大抵扱っていますし、しかも宅配FCより安価で品揃えも豊富です。
また、「宅配」というと近年のビジネスモデルのように聞こえてしまいますが、飲食店に限れば昔から行なわれてきた「出前」と大差はありません。
(・・・と言うと、余談ですが、一部の宅配フランチャイザーやコンサルから「出前と宅配はビジネスモデルが違う」と反論を頂戴する場合があります。
電話で注文を受けたら注文されたメニューを作り、それをお客様の自宅まで届けてお代を受け取る・・・
この点で出前と宅配にどのような違いがあるというのでしょうか。)
宅配が成長につながるなら、売れ行きが悪かったそば店が出前需要の増大で息を吹き返したり、儲けが増えたりといった事例も増えなければなりません。
皆様はそうした事例を聞いたことがあるでしょうか。
誤解をして頂きたくないのですが、私は宅配FCを否定したいのではありません。
むしろ、皆様へ加入をオススメしたい優良宅配FCが何社かあります。
お伝えしたいことは、「あまり美味しくない」という評判のそば店が出前需要が増えて息を吹き返した事例があまり見聞きできないように、宅配需要が増大したとしても、商品力やサービス力が伴っていない宅配FCなら成長は期待できないということです。
宅配FCを選ぶ上で大切なこととは
従って「社会変化により宅配ビジネスは成長する」といった理由だけで、安易に宅配FCを選んではならないということです。
まず大切なことは、そのFCチェーンが競争力のある、質の高い商品力やサービス力を有しているかどうかです。
言い方を変えれば「あのサービスはとても良い」、「あの商品は大変素晴らしい」といった高い評価を得ている宅配FCなら、そうした社会的変化を追い風にできる「可能性」が高いと言えます。
では店舗型のFCは将来性がない、あるいは先々苦しくなる・・・・・
とも思っていません。
ビジネスを成長させる可能性は、まだまだ十分あります。