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日本のFC企業が覚悟すべき地震というリスク
フランチャイジーもフランチャイザーの皆様も、日本で商売している以上地質的なリスクが高いことを覚悟しておく必要があります。
私だって考えなくて済むなら、考えたくはありません。
しかし日本政府は、近い将来必ず大規模地震がくることを明言しています。
都市伝説でもなければ、インチキ占い師の妄言でもなんでもないのです。
国が特に危険性が高いと指摘しているのは首都直下や南海、東南海エリアです。
これまで地震発生の可能性が低いと思われていた熊本で大地震が発生したこと、日本には数え切れないほどの活断層があることを踏まえれば
「この地域なら安全」
という発想自体がむしろ「危険な発想」と言えます。
ではどうすべきかということですが、セキュリティー&セイフティーに関する記事でもお伝えしましたが、改めてお伝えしますと次のようにまとめることができます。
【直営店、フランチャイズ各店舗で取り組むべき対策】
●テナントとして入居している建物の耐震性能を把握すること
●耐震性能に問題がある建物であれば、建物オーナーへ改善を要求し、改善に取り組まないのであればテナントを移ることを積極的に検討すること
●地震、火災保険に加入すること
●ストッパーを取り付ける等、什器備品類レベルで行なえる地震対策は万全に取り組むこと
●万一の場合に備えて、お客様の分も含めた保存食や保存飲料、毛布、懐中電灯、等の災害対策グッズをストックしておくこと
●万一の場合に備えて、避難場所や近隣店舗、地域との連携方法を確認しておくこと
●アルバイトを含めて、地震発生時の初期対応訓練や避難誘導訓練を定期的におこなうこと
これが全てではありませんが、最低限こうしたことに取り組む必要があります。
【フランチャイザーが取り組むべき対策】
●コストアップになったとしても、耐震性能が低いビルなどに本部を構えている場合は早々に耐震性能が高いビルへ引越しを行なうこと
●FC店舗の被害状況を迅速に把握するための情報収集手段を複数ルートで確立しておくこと
●被災したFC店舗への支援方法を被害状況等に応じてきめ細かく確立しておくこと
●地震発生時のローカルマニュアルと加盟店全体のマニュアルの両方を整備し、定期的に見直しをはかること
●店舗への商材や原料を製造している工場が被災した場合の、可能な限りのバックアップ体制を検討、確保しておくこと
●原料の製造工場は一極集中化させず、リスク分散という観点から海外も含めて複数にすること
●本部自体のサテライト機能を複数の地域で確保しておくこと
などなどです。経営的判断や投資が伴う項目もありますが、日本が地震大国であることを考えれば必要な投資です。
3.11から随分時間が経過してしまったことで、地震への備えに対する気持ちが日本全体でやや緩んでいる気がします。
備えあれば憂いなしです。