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FC加盟を検討するなら誰に会うべきか
FC加盟を検討する場合のアドバイスをよく求められるので、その際のポイントをシリーズでお伝えして参ります。
FC加盟を検討する上で必ずやならなければならないことのひとつが、検討しているFCに加盟している現役のオーナーに会って話を聞くことです。
ただし、加盟しているオーナーなら誰でも良いという訳ではありません。
ではどんなオーナーの話を聞くべきなのか。
その答えは、フランチャイザー側が紹介をとても嫌がる、運営がうまくいっていないオーナーに会って話を聞くことです。
うまくいっているオーナーがフランチャイザーへ協力する理由とは
フランチャイザー側が「ぜひこのオーナーに会ってください」といって紹介してくれるオーナーに会うのは構いませんが、それだけで済ませてはなりません。
多くの場合、フランチャイザー側から紹介されるオーナーは成功しているオーナー、もしくはフランチャイザーの言うことを素直に聞いてくれる従順なオーナーのどちらかです。
成功しているオーナーには、フランチャイザー側からこんな話を持ちかけられます。
「○○オーナー、加盟を検討している方がぜひ○○オーナーにお会いして成功の秘訣を聞きたいとおしゃっているのですが協力して頂けませんか」
このようなことを言われたら、成功しているオーナーは自尊心をくすぐられ鼻高々となり、気分良くフランチャイザーの協力を買ってでてくれます。
また、成功しているオーナーにとっても、新たな加盟者が増えることは決して悪いことではありません。
加盟店が増えれば
・加盟しているチェーン店の知名度やフランドが向上する
・原材料費の価格交渉力は店舗数が多いほど大きくなるため、加盟店が増えれば原材料費のコストダウンにつながる
といったメリットが生じます。
特に成功しているオーナーはそうした恩恵を得やすい立場です。
オーナーとして優秀でもある訳ですから、まあ、そうした計算を大なり小なり働かせますよね。
仮にそうした計算がなかったとしても、成功しているということは自分が加盟したフランチャイズの選択は間違っていなかったとの自負もあります。
そのため、フランチャイザーの悪口を口にしようとはしないものです。
せいぜい当たり障りのない、課題を指摘する程度でおわる場合が多いでしょう。
つまり成功しているオーナーの話だけを聞いても、”加盟するかどうかの判断では”あまり参考にはならないということです。
(ちなみに成功しているオーナーの話は「「加盟した後」に聞いた方が良い」と新人のFCオーナーの方々へアドバイスをしています。)
だからこそですが、フランチャイザー側ができれば最も嫌がる、うまくいっていないオーナーを探し出して話を聞くことが大切なのです。
うまくいっていないFCオーナーを紹介してもらうコツ
しかしフランチャイザー側が嫌がっているオーナーなのですが、ただ紹介してくれといってもフランチャイザー側はあれこれ言って積極的に協力しようとはしないでしょう。
中には「交渉してみたけどオーナーに断られました」と平気で嘘をつく場合だってあります。
そこでこのような方法を試してみてください。
フランチャイザーに対し経営が上手くいっていないFC店舗を、3~4店舗ほどあげてもらいます。
もしこうした情報すら伏せようとするフランチャイザーなら、加盟してはなりません。
次にこのように尋ねます。
「この店舗の中で、私には絶対に会わせたくないオーナーはいますか」
これ、フランチャイザーへの殺し文句です。
こう尋ねれば、フランチャイザー側は正直に会わせたくないオーナーを答えるか、「いいえ、どのオーナーとお会い頂いても大丈夫ですよ」と見栄を張るかのどちらしかなくなります。
まず正直に答えてくれた場合には「そのオーナーに是非とも会いたい。嫌なら直接交渉する。」といえば良いだけです。
次に見栄を張った場合には、その3、4社全てのオーナーとのアポイントを全て設定してもらい、お会いすることにしましょう。
その中にはきっとフランチャイザーが紹介したくないオーナーが含まれています。
もし1社だけ「都合がつかない」等々言い訳をしてきたら、その1社こそが紹介したくないオーナーの確率であることが大変高いです。
先程の要領で直接交渉を申し出れば良いだけです。
FC加盟を検討している方々は多くの場合、フランチャイザー側から一方的に良い情報だけを受け取っている状況にあることを忘れてはなりません。
そのような状況ゆえ、上手くいっているオーナーより、運営がうまくいっていないフランチャイズオーナーの話こそ断然役立ちます。
うまくいっていないオーナーの話を聞く前に、加盟の決断をすべきではありません。
ただし!
うまくいっていないオーナーの話をすべて鵜呑みにしてはいけないことも、これまた言うまでもありません。
本来フランチャイズとは程度の差こそあれ、「成功するビジネスモデルの販売」を通じてチェーン展開する事業です。
うまくいかないケースを解消しなければなりませんので、その点ではまだ課題があるフランチャイザーだとは言えます。
しかしながら、フランチャイズ加盟店の経営主体はジーのオーナーであってザーではありません。
ザーにも問題があるが、ジーにもやはり問題があるからこそ、うまくいっていかない側面があることは否定できないからです。
その視点を忘れず、できるだけ客観的に話を聞くことが肝要です。