オーナー経験者が語るフランチャイズのデメリット – フランチャイズという選択

フランチャイズという選択

フランチャイザーとフランチャイジーの両方を経験したコンサルからのメッセージ

FC加盟を検討されている方々へのアドバイス

オーナー経験者が語るフランチャイズのデメリット

                      
オーナー経験者が語るフランチャイズのデメリット

FCのデメリットを紹介している記事は多いが・・・

ネット上でフランチャイズビジネスのデメリットを検索すれば、いくらでも発見することができます。

例えば、グーグル検索で一番目にヒットしている記事から引用すると

・ブランド毀損によるリスク

・運営方法、仕入先などの制限

・店舗状況に関わらずロイヤリティを支払う場合がある

・競合避止義務や契約期間の存在

(出典 https://www.fc-hikaku.net/franchises/2080 )

となっており、他の記事も、だいたい似たようなデメリットを紹介しています。

これらのデメリットの説明は概ね正しいです。

が、なぜそれがデメリットになるのか、具体的な事例などに基づいて説明されていないことに加え、他にも重要なのに触れられていないデメリットがあるのに紹介されていないことに気付きました。

そこで本記事では、フランチャイズオーナーとしての体験に基づいて、ネット上ではあまり触れられていないフランチャイズ特有のデメリットを、皆様へお伝えすることにいたします。

FCのデメリット1:担当スーパーバイザーの力量や人間関係の善し悪しが経営に影響する

私の検索能力が低いだけかもしれませんが、このデメリットについて触れているサイトを発見できなかったので1番目に紹介することにしました。

担当スーパーバイザーの力量や、人間関係の善し悪しがFC店の経営に影響を与えてしまうのは、フランチャイズ特有のデメリットと言えます。

フランチャイズオーナーは一国一城の主と言われる一方、フランチャイズ本部の経営方針や指導に従う必要があります。

SVは上司ではありませんが、役割として上司のように振るわなければならない場面もあります。

そのため、人間的に未熟なSVに当たってしまえば、関係で摩擦が生じ、店舗運営がやりにくくなったり、嫌になったりしますね。

私の体験談を披露しますと、初任のスーパーバイザーはSVなり立ての若手でした。

ただ幸いなことに、そのSVは私に対し横柄に振舞うことはありませんでしたね。

ところが・・・

彼なりにSVの役割だと思い込んでいたのか、私に代わって仕入れ業者や店舗のスタッフを率先して叱るのです。

それでスタッフから私の元へ苦情が入ったり、叱られた仕入れ業者の方々と関係がギクシャクしたりしました。

しかも、叱っている内容は一応筋が通っていただけに、SVをたしなめても

「自分は間違っていない」

と耳を貸そうとしません。

そこでやむを得ず本部の役員に相談したところ、SVが担当から外れました。

が、気まずさはありましたね。

また店舗の立ち上がり時期であり、内外ともに結束することが大切なタイミングだっただけに、その後の経営へにも影響が及んだと思います。

本ブログで、SVの力量や人間性もFC加盟の重要なチェックポイントだとお伝えしているのも、こうした経験があったからです。

FCのデメリット2:出口戦略が描きにくい

フランチャイズ加盟を検討されている方々は、加盟する前から出口戦略も描いておくことが重要です。

このことも、本ブログで訴えていますが、現実問題として出口戦略が描きにくいフランチャイズが多いですね。

このあたりは特定のフランチャイズというより、日本のFC業界全体の体質的な問題でもあります。

多くの場合、契約上のしばりでオーナーの自由な判断で店舗を売却したり、オーナーチェンジしたりできません。

例えば個人で加盟された方は、経営が順調だったとしても、家庭の事情等で突然経営が続けられなくなる事態も考えられます。

経営譲渡を一切認めていない本部だとしたら、最悪、店舗がなくなる上、高額な違約金を請求されてしまうこともあります。

従って、加盟する前に柔軟な出口戦略を描けるかよく確認し、それができないフランチャイズには加盟しないようにすべきです。

参考まで、私の場合がどうだったかと申しますと、最初から制度が整っていた訳ではありませんが、本部買取を実現させました。

市場価格より若干不利な価格になりましたが、引き継ぎが大変楽だったし、アフターフォローも不必要ですので、価格以上のメリットはあったと考えています。

本部買取を積極的にすすめる訳ではありません。

が、もしそのような制度が整っているFCなら、出口戦略の1つとして検討の価値はあります。

オーナー経験者が語るフランチャイズのデメリット

 

FCのデメリット3:仕入れ業者が自由に選べないことが、本部への不満や疑心暗鬼を招く

自分で仕入先を選べないことは、フランチャイズのデメリットとしてよく紹介されています。

しかし、正確に言えば「選べないこと」がデメリットではありません。

もし指定されている仕入れ業者が、どこよりも安い価格で資材を提供してくれるなら、自分で安い仕入れ業者を開拓する手間も不要となりますから、むしろメリットになります。

従って、仕入れ業者を自由に選べないことが即デメリットではなく、選べないことにより

・より安い仕入れ業者が他にあるのに変更できない=コストが割高になる

ことや

・支払いサイトも予め決められており、支払いやすい期日に変更できないので、資金繰りがきつくなる場合がある

などが生じた場合、デメリットになるということです。

更に、割高感や資金繰りのきつさから、オーナーの中には

「本部はきっと、仕入れ業者からキックバックを受け取っているに違いない!」

と疑心暗鬼や不満を抱く方も現れ、本部との関係悪化の要因になりやすいことも、仕入れ業者を選べないことで起きる特有のデメリットです。

(実際、仕入れ業者問題が引き金になって、本部とフランチャイズオーナーの間に大きな溝ができてしまったケースがあります。

両者の信頼関係が破綻していたので、このケースのコンサルティングには本当に苦労しました。)

従ってフランチャイザー側はやましい関係がないのであれば、オーナーの疑念を招かないよう、徹底した情報開示などを通じて、仕入れ業者の選定基準や取引の公正さを伝える努力が求められますね。

また、FCへ加盟を検討されている方々は、その点の透明性を事前にチェックすることが大切です。

FCのデメリット4:オーナーと本部がそもそも対立しやすい構造になっている

先程紹介したデメリット2や3などもそうですが、日本のフランチャイズの最大のデメリットは、フランチャイジーとフランチャイザーが対立しやすい構造を自ら作り出している点です。

契約ですから、少々窮屈を感じても我慢して守らなければならない規約は勿論あります。

しかしながら、その点を考慮したとしても、日本のフランチャイザーは不必要にオーナーを縛っているケースが目立ちます。

それが余計な不満を招き、ルールを盾に不満を解消しようとしないから、不必要な対立を招いています。

対立とは、何も法廷闘争に発展しているケースだけを指しているのではありません。

本来フランチャイザーとフランチャイジーは運命共同体であり、共に手を携えて発展してゆく関係でなければならないはずです。

ところが、法廷闘争まで至らなくとも、サイレントな状態で不満を燻らせているオーナーが少なくないことは、日本のフランチャイズチェーン特有の現象だと言っても構いません。

FC本部はオーナーにもっと目を向け、真の意味での良好な関係を築く努力が必要です。

同時に、加盟を検討されている方々は、オーナーとの関係をどれだけ重視しているかをFC本部にしつこいぐらい、確認することが大切だと言えます。

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自己紹介

私は現在、コンサルタントとして

・事業のフランチャイズ化支援
・フランチャイザー企業の経営支援
・顧客満足度(CS)調査・改善

を主なテーマにコンサルティング活動を行なっております。
近年、企業経営者や個人の方々からFC加盟についても相談を受けるようになりましたので、お役に立てればと考えこのブログを開設いたしました。

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