FC加盟時の出店エリアと自宅の距離はどうあるべき? – フランチャイズという選択

フランチャイズという選択

フランチャイザーとフランチャイジーの両方を経験したコンサルからのメッセージ

FC加盟を検討されている方々へのアドバイス

FC加盟時の出店エリアと自宅の距離はどうあるべき?

                      
FC加盟時の出店エリアと自宅の距離はどうあるべき?

「出店エリアをどこにすれば良いか」の相談は大変多い

FC加盟を通じて脱サラを図ろうとされている方々から、よく頂くご相談の一つに

「出店エリアをどこにすれば良いか」

というものがございます。

特に出店エリアにかなり空きがあり、選択肢が豊富にある場合には、どこを選んだら良いか悩むのも当然です。

そこで本記事では、その質問に対して私がどのようなアドバイスを行なっているか、お伝えして参ります。

脱サラの方は儲かるエリアより自宅から最寄りのエリアを優先すべし!

店舗を管理する社員を複数配置できる法人企業なら、まあ、ある程度エリアを幅広く見ても構いません。

しかし脱サラの方、もしくは自営業の方が初めてFC加盟する場合には、住居よりできるだけ近いエリアを最優先で検討することを、オススメします。

最初の加盟となるので少しでも儲かりそうなエリアを選びたくなる気持ちは、よくわかります。

私自身も加盟時にそうした誘惑にかられましたから。

しかし儲かりそうなエリアを優先するのは、次にご紹介するような理由から、正しいとは言えないのです。

 

新宿や渋谷であっても物件次第である!

例えば東京での商売上の一等エリアと言えば新宿や渋谷があげられますが、これら一等エリアであっても、店舗物件次第では期待したような集客数が得られない場合があります。

しかもそうした一等エリアは総じて家賃が高いです。

その分、物件選びの難易度やリスクも高まるからです。

そもそもそうした一等エリアに直営店が存在せず、空いているという状況はフランチャイザー側にも一等エリアでの運営経験が乏しいことを意味します。

従って、仮に物件探しでザーの協力を仰いだとしても、経験に根ざした、的確な目利きや店舗指導はあまり期待できません。

また、商業地としての一等エリアは超激戦区でもあります。

直営店での運営実績を確認してからでないと、とてもオススメできません。

FC加盟時の出店エリアはどうするべき?!

売上の大きさに比例して店舗運営難度も高まる!

このあたりは賢明なフランチャイザー本部でしたら、そうしたアドバイスがあると思われますが、店舗運営の難度は売上に比例して上昇します。

例えば売上予測として

・新宿に出店したら月商1千万

・八王子市に出店したら月商5百万

という場合、新宿に目を奪われるのは理解できます。

が、月商1千万の売上を回すのは決して簡単なことではありません。

オーナーもスタッフも運営や店舗オペレーションに不慣れな状況で、そのような売上=来客数が生じてしまえば、どうなるか想像してみてください。

対応がチグハグで不手際続きとなり、それが多数のクレームを招き、たくさんのお客様の信頼を失い、新宿では二度と浮上できなくなる可能性だってあります。

店舗と住居からの距離がどうあるべきかという点では、やや理解しにくい話となってしまいます。

が、もし新宿と八王子のどちらかしか選べないなら新宿の方が近い方でも八王子を選択すべきです。

つまりここで申し上げたいことは、

最初の店舗は売上の大小より運営のしやすさを優先すべきだということ、

売上のみを重視して一等エリアを選んでしまえば、失敗することがあること

です。

最初の店舗は24時間体制で駆けつける覚悟が必要!

仮にオーナー自体が店長として店舗オペレーションに直接関わらない場合でも、最初の加盟店舗には、何かとオーナーは足繁く通わなければなりません。

しかもサラリーマンではありませんから、9時5時という訳にも参りません。

コンビニの事例が一番わかりやすいかと思いますが、24時間営業の店舗なら、いつ何時にスタッフから呼び出しがかかるかわかりません。

深夜の場合もあれば早朝の場合だってあり得ます。

公共交通機関を頼っていては、そうした場合に迅速に店舗へ駆け付けることはできません。

では、そのようなケースは24時間営業のFC店舗に限られるでしょうか?

夜間9時や10時頃閉店する店舗でも、夜間に清掃や産業廃棄物の回収が行われるような場合なら、やはりオーナーが深夜に駆けつけなければならないケースが何かと生じるものです。

従って、公共交通機関に頼らなくともオーナーが迅速に店舗へ駆けつけることができるエリアで、出店することが重要なのです。

車利用を前提とするのはあまりオススメできません!

公共交通機関に頼らずに店舗へ移動する場合、マイカーをお持ちの方なら車で店舗へ移動する方法があると考えられるかも知れません。

しかしオーナーが呼び出しを受ける場合とは、緊急事態やトラブルが発生した場合です。

例えば宅配FCなら、夜間に雪が積もったことでデリバリースタッフが路上で立ち往生してしまったり、強風などの天候不良が原因で接触事故を起こしたり、巻き込まれてしまったりといったケースも考えられます。

そのような積雪や強風時には車を出動させることも困難になるでしょうし、無理して車を出せば今度はオーナー自身が、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。

従って公共交通機関がない時間帯は車での移動を前提とすることは、絶対ダメとまでは申しませんがあまりオススメはできません。

FC加盟時の出店エリアはどう選ぶべき?

自宅と出店エリアはどのくらいの距離が望ましいのか

では自宅と店舗の距離はどれくらいが、望ましいのでしょうか?

ズバリ申し上げるなら「自宅=店舗」というのが距離の上では最も理想的です。

ただ、賃貸物件にお住まいの方は不可能な話ですし、自宅の場合でも商業施設の立地としては不適当な場合も当然あります。

そこで目安の距離としてお伝えしているのは

「住居から徒歩で40分以内」

という距離感です。

要は、少し急ぎ気味で歩いて頂ければ、徒歩でも最長で30分前後で到着できる距離を、目安としてアドバイスしています。

もし出店地域として相応しくない場合はどうする?

自宅から徒歩で40分以内の地域となると、エリア内の人口などから言って出店は困難という場合もあるでしょう。

その場合は幾つかの選択肢が考えられますが、「店舗ビジネス」に限って申し上げるなら住居の引っ越しも含めた出店エリアの検討が望まれます。

ビジネスを軌道に乗せ、成功させるにはそれぐらいの覚悟も必要です。

ただどうしても現住居を諸事情により離れられない方は、大きなコストとリスクが伴いますが、オーナー代行を依頼できる、信頼できる人物を社員として雇用するか、もしくは店舗ビジネスを諦めて、自分からお客様のところへ出向く出張スタイルのFCを検討した方が良いと言えます。

こうした自宅と出店エリアの距離に関する問題は、FC加盟を後押ししたいFC広告サイトやポータルサイトではあまり紹介されていません。

なぜならこのテーマは、FC加盟意欲を削ぎかねないからです。

しかし個人の方が現在の住まいと出店エリアの距離感を無視してしまえば無理が生じ、決して上手くゆきません。

イオン創業者岡田家の家訓を使わせて頂くなら、大黒柱に車を付ける覚悟と勇気を持って出店エリアを検討して頂きたいと思います。

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自己紹介

私は現在、コンサルタントとして

・事業のフランチャイズ化支援
・フランチャイザー企業の経営支援
・顧客満足度(CS)調査・改善

を主なテーマにコンサルティング活動を行なっております。
近年、企業経営者や個人の方々からFC加盟についても相談を受けるようになりましたので、お役に立てればと考えこのブログを開設いたしました。

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