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資金面の問題点:必要資金に対する認識不足
FC加盟を検討している方からの相談で、加盟先選びに次いで多いのが資金に関する相談です。
その際、よく感じることが必要資金に対する認識不足が多く見られるということです。
事例で説明します。
例えばあるフランチャイズチェーンの出店予算が、2千万円として紹介されていたとします。
この2千万という出店予算、一般的には店舗取得費が含まれていません。
これは仕方がないです。
中途半端な数値で取得費を含めても、却って誤解を招くだけとなるからです。
計算に含まれない店舗取得費だけで1千万円超の場合も・・・
勿論坪数や出店エリアにもよりますが、例えば首都圏一等地の優良物件となれば、店舗取得費だけで1千万円を超える場合もあります。
仮に賃料25万円の物件として、相場ではなく目安として計算例を紹介しておきますと
・敷金6ヶ月
・礼金2ヶ月
・前家賃1ヶ月
・仲介手数料1ヶ月
だとした場合、計10ヶ月分の家賃相当額となりますから、これだけでも250万円が必要になってきます。
2千万ギリギリで資金計画を立てていた方にとって、更に追加で250万というのはきついですよね。
店舗取得費だけではない・出店予算の落とし穴
しかも店舗取得費だけで済めば良いのですが・・・・
残念ながらそれだけでは済みません。
店舗の内外の造作には、数週間から1ヶ月程度は要しますし、更にアルバイトの開店前研修期間も必要でしょう。
そうなると、売上が立たないのにアルバイト人件費の他、家賃の出費が1ヶ月~2ヶ月弱程度更に発生します。
まだ売上がたっていない段階の支出ですから、これも初期投資分として加えたら家賃関連の支出だけで計12ヶ月程度となります。
しかも・・・・初月度の売上も考慮されていない方が多いですね。
仮に平均日商10万・月商300万円のフランチャイズチェーンに加盟したとして、初月度から平均日商で推移したとしましょう。
開店したのが例えばある月の20日だとすれば、毎日稼動してもその月は10日稼動となりますので初月度売上は100万円となります。
流動経費は10日分で済んでも、家賃などの固定経費は1ヶ月分まるまるかかることになります。
10日分の売上では初月は赤字は避けられないでしょう。
また、そもそも初月度からそのチェーン店の平均的な売上をたたき出すことは容易なことではありません。
新店オープンによる御祝儀売上が見込める場合もありますが、ブランド力がかなりあるフランチャイズチェーンに限られると考えた方が無難です。
開店した地域に店舗の存在が浸透するまでの期間、売上が低迷する可能性は大いにあります。
その結果、収支予測がどうであれ、半年程度は赤字で推移することは普通に起こり得ます。
開店から数カ月分のオーナーの生活費も重要
店舗型の場合、日銭が入ってきますので赤字であってもしばらくは運転資金を何とか回すことはできるかも知れません。
が、その間、売上が入っても息つく暇もなく右から左へと支払いにお金が飛んでゆく状況となります。
そうなると、売上から生活費を確保することが困難になります。
オーナーだって食べてゆく必要がありますから、少なくとも3ヶ月~できれば半年程度は無給でも生活に困らない程度の資金も確保しておくべきなのです。
以上はまだまだざっくりとした話に過ぎません。
これらを踏まえると、2千万円以外に少なくとも500万~600万円程度の資金があった方が望ましいことがおわかり頂いたと思います。
出店予算2千万円のフランチャイズチェーンの場合は、2千万円用意すれば十分ではないのです。
本記事を参考に、出来る限り余裕を持った資金を準備するよう心掛けて欲しいものです。