FCオーナーとして加盟する場合
「未経験で大丈夫か」
という疑問や不安を感じる方は多いですね。
私自身、自己紹介で披露していますが、全く畑違いのフラチャイズへ加盟してオーナーデビューを果たしました。
この場合は「未経験」になる?ならない?どちらでしょうか。
まあ、私自身のことはひとまず、今回はこの疑問について、ズバリお答えすることに致します。
目 次
FCオーナーはみな未経験?「未経験」って何?
まず「私は未経験なんですが、加盟して大丈夫ですか」という相談を通じて気付いたことですが、「未経験の定義」が人によってかなり異なることです。
未経験の定義が一致していない状況で
「未経験でも大丈夫だ」
とか
「未経験はダメだ」と評価するのはナンセンスな話になります。
皆様は「未経験」の定義がしっかり定まっていると言える自信、ございますか?
未経験とは何か、具体例を通じてかためてゆくことにしましょう。
クイズ形式でお尋ねしますので、楽しむつもりで考えてみてください。
まず、フランチャイザー企業に長年務めている社員店長が、直営店を譲り受ける形で独立したとします。
この場合は「経験あり」と評価して良いでしょうか?
おそらく「YES」と回答される方がほとんどでしょうから、ここでは仮の回答(正解とは限りません)を「YES」としておきましょう。
続いて、ダイソーの店舗でずっと働いてきた方が退職し、キャンドゥのFCオーナーになるという場合はどうでしょうか?
(競業避止の問題はこの場では考えないことにします)
同じ小売店業界で、しかも100均というカテゴリーでも一致する企業同士ですから、この場合も「経験あり」と答える方が多いですね。
次です。
フランス料理店で長年社員店長を務めてきた方が、マクドナルドのFCオーナーになるという場合はどうでしょうか?
この質問になると、見解が分かれてきますね。
ハンバーガーとフランス料理という違いがあっても、飲食業界での経験はあるのだから「経験者」と評価する方もいれば、ハンバーガーとフランス料理の違いを指摘して「未経験」だと答えられる方もいます。
ここでは便宜上「経験あり」の回答が多かったことにしておきましょうか。
最後です。
メーカーで経理職をしていたサラリーマンの方が、ダイソーのFCオーナーになる場合は如何でしょうか?
この質問になると大半の方が「未経験」だと答えられますね。
未経験の定義は視点によって異なる
では解答です。
ご紹介した4つの質問でそれぞれ一応の回答を出しましたが、どれも正解になり、どれも不正解になり得るというのが「正解」です。
どいうことか?
先程4つの質問の中で「FCオーナー(経験者)」の方は、ひとりも登場していませんでしたよね。
FCオーナーが店長職を担うことはありますが、店長業務=FCオーナー業務ではありません。
FCオーナーには、オーナーとしての業務や役割が求められます。
従って「FCオーナーの経験の有無」という点から4つの質問に登場してきた方々を評価すれば、すべて「未経験」となります。
一方、ほとんどの方が「未経験」と回答した、メーカー勤務の経理職サラリーマンだった方がダイソーのFCオーナーになるケースについてです。
FCオーナーとしての経験で言えば確かに「未経験」です。
また、FCオーナーは店舗での接客業務経験があった方が望ましいですが、この方が経理職一筋だったとすれば、その点でも「未経験」となりますね。
しかしFCオーナーは店舗での接客業務だけができれば良いのではなく、経理の経験や知識も問われます。
この点では「経験あり」と評価して良いのではないでしょうか。
こうしたケーススタディを通じて、「未経験」の捉え方に対する問題点がかなり見えてきたのではないでしょうか。
大切なことは、ただ世間一般の感覚だけで
「自分は経験がある(ない)」
といった独りよがりな判断をしてはならないということです。
社員の方が直営店譲渡を受けて独立する場合だって、FCオーナーとしての経験はない訳です。
この場合なら逆に
「経験があるんだ」
と慢心すべきではありません。
一方、サラリーマンの方で所属先が経理だろうと、人事だろうと、営業だろうと、企画開発だろうと、そうした会社組織での経験は、企業経営者となるFCオーナ-にとってどれもあった方が望ましい経験であり、そうした経験に限れば「あり」となる訳です。
頭から
「自分は(何もできない、知らない)未経験者だ」
と決め付け、過度にネガティブに考えたり、不必要に難しく考える必要はないのです。
大切なことは客観的な自己分析とそれに基づいた対策を考えること
私からのアドバイスですが、まずは「未経験」という言葉を封印することです。
先程ご紹介した質問例のように、「未経験」という言葉は定義がはっきりしているようで、実は少し視点や立場を変えただけで、すぐに曖昧になってしまう言葉です。
そのような言葉に過度にこだわってもあまり意味がないのです。
次に取り組むべきことは、自分自分の知識やスキル、経験などの詳細な棚卸しを行うことです。
その点が不明瞭であれば、FCオーナーとして成功できるかどうか、ご自身も含めて誰も的確に判断などできません。
最後は「FCオーナー=経営者」ということです。
経営者に求められるスキルや知識、能力が何かを自分自身で調べ、整理した上で、棚卸しした自分の現有スキルや知識などを対比させ、○、△、☓、あるいは5段階評価でも良いですから、項目別に評価することです。
ここまで取り組んでようやく
「自分がFCオーナーになる場合にはこれこれの経験や知識が不足している」
といった課題点が浮き彫りになる訳です。
更に言えば、自分のウイークポイントを発見し
「他力(他者に担ってもらったり、カバーしてもらったりすること)」
を含めて克服する対策を考え出し、克服できる方ならFCオーナーとしての「未経験」は何ら気にする必要はありません。
間違いなく成功できます。