サブウエイについてコメントさせて頂く前に
枕詞がやや長くなってしまいますが、今回サブウエイを取り上げることにした自身の考えや立場を皆様へお伝えしたく、少しお付き合い頂ければ幸いです。
(「そんなことは良いから、サブウエイについての意見を聞かせろ」と言う方は画面をスクロールし、次の見出しからお読みください。)
今まで当ブログでは具体的なフランチャイザー企業名をあげることを、実は意図的に避けて参りました。
コンサルという立場上、
批判的なコメントも
肯定的なコメントも
読者の方々が、恣意性を感じてしまうのではないか・・・
そんな心配があったからです。
例えばA社のコンサル支援を私が行っている場合、A社のライバル企業の問題点を重点的に記事にすれば、A社の間接的支援になります。
また逆にA社を持ち上げる記事を書けば、A社の支援につながるでしょう。
しかし、この点を気にして具体的な社名をあげずに説明していては、どうしても伝わりにくい、あるいは伝えにくい内容があるとの思いも、払拭できずにいました。
そうした葛藤がずっとあったのですが、昨今、専業主婦や若いサラリーマンの方々の中に、フランチャイズビジネスに関心を持つ方々が増えてきましたので、実例を通じたわかりやすさや具体性を重視すべきと考え、企業名をあげて説明しようとの結論に至りました。
今回その初回としてサブウエイをあげましたが、サブウエイに限らず、今後取り上げる企業と私の関係性については、無関係な場合も含め、一切明らかにできないことはご容赦ください。
と同時に、関係があろうとなかろうと、利害に基づいた恣意的な見解を述べることも一切致しません。
この宣言をご信頼頂けるかどうかは読者の皆様のご判断に委ねます。
が、どうか頑固者のコンサルの表明を信じて頂ければ幸いです。
私とサブウエイ(SUBWAY)の出会い
サブウエイの苦境は2017年頃からメディアなどでも、取り上げられるようになりました。
テレ東人気番組「ガイアの夜明け」でも取り上げられたので、ご覧になった方も多いと思われます。
まず私自身とサブウエイ、正確にはSUBWAYの出会いですが、日本ではなく米国に短期留学した際、米国の友人に連れられて来店したのがSUBWAY初来店となりました。
その時の率直な感想は
「なんでもチョイスしたがるアメリカ人好みのスタイルだなあ」
といったものでしたが、同時に
「日本じゃ、あんまり流行らないのでは」
と、学生の分際でありながらそんな偉そうなことも思っていました。
何か具体的な根拠があった訳ではありません。
日本人のファミリーや忙しいビジネスマンが、SUBWAYのカウンターに多数並んでいる姿がどうしてもイメージできなかった・・・・
それだけの話しです。
SUBWAYは「我流」ではなく日本市場へのマッチを考えるべきだった
さて、先程の話ですが、○十年前の学生時代に抱いた感想が的中した・・・
といった、浅はかな自慢話として披露した訳ではございません。
というより・・・私だけでなく、私と似たような感想を抱いていた方が周囲にも結構いましたからね。
また、私が云十年前に思ったことは、サブウエイをそのまま日本に持ち込んだ場合に限っての話です。
もう少し話を加えるなら、日本には優秀な経営者がいるから、そんな人がサブウエイを日本にマッチするようアレンジすれば、日本でも流行るかも・・・
とも思っていました。
例えば、当時も現在も吉野家は、米国で高い人気を誇っているチェーン店です。
しかし、実際に米国の吉野家店舗を訪問して頂ければわかりますが、日本の吉野家とは店舗の作りや接客スタイル、システムなどがかなり異なっています。
牛丼という日本人の国民食を米国でひろめるために現地にマッチするスタイルを、徹底的に研究したことが伺えます。
一方SUBWAYはほとんどのそのままの仕組みを日本へ持ち込んでしまったと、今でもそう評価しています。
全く取り組まなかったとは申しませんが、私の目に映った日本サブウエイは、日本市場に向けた創意工夫やオリジナリティの発揮は、限定的だったとしか思えません。
少なくとも日本に上陸した当時、顧客の立場で
「日本サブウエイは米国のお店とここが違う!」
と実感できることは、メニューが日本語になったこと以外1つもありませんでした。
ガイアの夜明けでサブウエイが披露していた新メニューは、まさに日本人顧客のニーズに応えることを第一義にした取り組みと言えます。
遅きに失した感は否めないものの、この点は前向きに評価したいと思います。
ただ、あの番組を視聴していて気になったのはSUBWAY本社の白人幹部の皆様方ですね。
世界レベルでのSUBWAYの経営についてはよ~く理解されているでしょうが、世界一満足させるのが難しいと言われる日本人顧客について、本社幹部のお偉方が理解しているようには思えませんでしたね・・・
「郷に入れば郷に従え」ということわざを生んだ日本人独特の感性を、ぜひ理解して頂きたいところです。
スタッフのトレーニングシステムも課題が感じられる
さて、当方は経営ではなく「FC」をテーマにしたコンサルを行なっておりますので、今度は「フランチャイズシステム」という観点から、サブウエイの課題点を指摘させて頂きます。
と言っても、全店舗を訪問した訳ではありませんので、これから指摘する課題が全店舗にに共通した課題ではなく、関東など特定エリアのサブウエイに限定した課題かも知れません。
その上で、指摘したいこととはアルバイトスタッフのトレーニングが、システムとして十分機能していないのではないかという点です。
なぜそのように感じられたかと申しますと、新人と思しきスタッフと、ベテランの方の知識や接客スキルの違いが、顧客側から見てあまりにもはっきりわかる状況が訪問した店舗で見受けられたことが一点。
また、こうした仕事をしている関係でFC店舗で働いている多数のアルバイト従業員の方々とも、交流があるのですが、彼ら、彼女らの体験情報として
「あまり指導を受けずに接客させられた」
といった主旨のコメントが他のチェーン店より、多く聞かれからです。
サブウエイには、新人アルバイトを養成するトレーニングシステムは、メニューとして存在しています。
しかしそのシステムが全店舗で機能しているなら、そうした声はあまり発生しなかったはずです。
おそらく昨今の厳しい経営事情から、特にFC加盟店舗の中には、新人教育に十分なレイバーコストを割けない状況に陥っている店舗が、多かったのではないかと考えられます。
そのため、私が来店した限られた店舗での問題ではなく、数多くの店舗でも類似した問題が大なり小なり生じていると推察されます。
何れにせよ、新人アルバイトの方々のトレーニングは人材の定着や店舗のサービス品質を向上させる上で、また顧客満足度を高める上で大変重要なテーマです。
苦しい状況は理解できます。
しかしこの点が疎かになってしまえばどんな優良メニューを開発しても顧客満足度は、高められません。
この点の早急な対策と改善が必要だと、日本サブウエイにはエールの意味も込めて、ご提言申し上げます。
コンサルタントの視点
FCコンサルとしてサブウエイの苦境について語ります
目 次
サブウエイについてコメントさせて頂く前に
枕詞がやや長くなってしまいますが、今回サブウエイを取り上げることにした自身の考えや立場を皆様へお伝えしたく、少しお付き合い頂ければ幸いです。
(「そんなことは良いから、サブウエイについての意見を聞かせろ」と言う方は画面をスクロールし、次の見出しからお読みください。)
今まで当ブログでは具体的なフランチャイザー企業名をあげることを、実は意図的に避けて参りました。
コンサルという立場上、
批判的なコメントも
肯定的なコメントも
読者の方々が、恣意性を感じてしまうのではないか・・・
そんな心配があったからです。
例えばA社のコンサル支援を私が行っている場合、A社のライバル企業の問題点を重点的に記事にすれば、A社の間接的支援になります。
また逆にA社を持ち上げる記事を書けば、A社の支援につながるでしょう。
しかし、この点を気にして具体的な社名をあげずに説明していては、どうしても伝わりにくい、あるいは伝えにくい内容があるとの思いも、払拭できずにいました。
そうした葛藤がずっとあったのですが、昨今、専業主婦や若いサラリーマンの方々の中に、フランチャイズビジネスに関心を持つ方々が増えてきましたので、実例を通じたわかりやすさや具体性を重視すべきと考え、企業名をあげて説明しようとの結論に至りました。
今回その初回としてサブウエイをあげましたが、サブウエイに限らず、今後取り上げる企業と私の関係性については、無関係な場合も含め、一切明らかにできないことはご容赦ください。
と同時に、関係があろうとなかろうと、利害に基づいた恣意的な見解を述べることも一切致しません。
この宣言をご信頼頂けるかどうかは読者の皆様のご判断に委ねます。
が、どうか頑固者のコンサルの表明を信じて頂ければ幸いです。
私とサブウエイ(SUBWAY)の出会い
サブウエイの苦境は2017年頃からメディアなどでも、取り上げられるようになりました。
テレ東人気番組「ガイアの夜明け」でも取り上げられたので、ご覧になった方も多いと思われます。
まず私自身とサブウエイ、正確にはSUBWAYの出会いですが、日本ではなく米国に短期留学した際、米国の友人に連れられて来店したのがSUBWAY初来店となりました。
その時の率直な感想は
「なんでもチョイスしたがるアメリカ人好みのスタイルだなあ」
といったものでしたが、同時に
「日本じゃ、あんまり流行らないのでは」
と、学生の分際でありながらそんな偉そうなことも思っていました。
何か具体的な根拠があった訳ではありません。
日本人のファミリーや忙しいビジネスマンが、SUBWAYのカウンターに多数並んでいる姿がどうしてもイメージできなかった・・・・
それだけの話しです。
SUBWAYは「我流」ではなく日本市場へのマッチを考えるべきだった
さて、先程の話ですが、○十年前の学生時代に抱いた感想が的中した・・・
といった、浅はかな自慢話として披露した訳ではございません。
というより・・・私だけでなく、私と似たような感想を抱いていた方が周囲にも結構いましたからね。
また、私が云十年前に思ったことは、サブウエイをそのまま日本に持ち込んだ場合に限っての話です。
もう少し話を加えるなら、日本には優秀な経営者がいるから、そんな人がサブウエイを日本にマッチするようアレンジすれば、日本でも流行るかも・・・
とも思っていました。
例えば、当時も現在も吉野家は、米国で高い人気を誇っているチェーン店です。
しかし、実際に米国の吉野家店舗を訪問して頂ければわかりますが、日本の吉野家とは店舗の作りや接客スタイル、システムなどがかなり異なっています。
牛丼という日本人の国民食を米国でひろめるために現地にマッチするスタイルを、徹底的に研究したことが伺えます。
一方SUBWAYはほとんどのそのままの仕組みを日本へ持ち込んでしまったと、今でもそう評価しています。
全く取り組まなかったとは申しませんが、私の目に映った日本サブウエイは、日本市場に向けた創意工夫やオリジナリティの発揮は、限定的だったとしか思えません。
少なくとも日本に上陸した当時、顧客の立場で
「日本サブウエイは米国のお店とここが違う!」
と実感できることは、メニューが日本語になったこと以外1つもありませんでした。
ガイアの夜明けでサブウエイが披露していた新メニューは、まさに日本人顧客のニーズに応えることを第一義にした取り組みと言えます。
遅きに失した感は否めないものの、この点は前向きに評価したいと思います。
ただ、あの番組を視聴していて気になったのはSUBWAY本社の白人幹部の皆様方ですね。
世界レベルでのSUBWAYの経営についてはよ~く理解されているでしょうが、世界一満足させるのが難しいと言われる日本人顧客について、本社幹部のお偉方が理解しているようには思えませんでしたね・・・
「郷に入れば郷に従え」ということわざを生んだ日本人独特の感性を、ぜひ理解して頂きたいところです。
スタッフのトレーニングシステムも課題が感じられる
さて、当方は経営ではなく「FC」をテーマにしたコンサルを行なっておりますので、今度は「フランチャイズシステム」という観点から、サブウエイの課題点を指摘させて頂きます。
と言っても、全店舗を訪問した訳ではありませんので、これから指摘する課題が全店舗にに共通した課題ではなく、関東など特定エリアのサブウエイに限定した課題かも知れません。
その上で、指摘したいこととはアルバイトスタッフのトレーニングが、システムとして十分機能していないのではないかという点です。
なぜそのように感じられたかと申しますと、新人と思しきスタッフと、ベテランの方の知識や接客スキルの違いが、顧客側から見てあまりにもはっきりわかる状況が訪問した店舗で見受けられたことが一点。
また、こうした仕事をしている関係でFC店舗で働いている多数のアルバイト従業員の方々とも、交流があるのですが、彼ら、彼女らの体験情報として
「あまり指導を受けずに接客させられた」
といった主旨のコメントが他のチェーン店より、多く聞かれからです。
サブウエイには、新人アルバイトを養成するトレーニングシステムは、メニューとして存在しています。
しかしそのシステムが全店舗で機能しているなら、そうした声はあまり発生しなかったはずです。
おそらく昨今の厳しい経営事情から、特にFC加盟店舗の中には、新人教育に十分なレイバーコストを割けない状況に陥っている店舗が、多かったのではないかと考えられます。
そのため、私が来店した限られた店舗での問題ではなく、数多くの店舗でも類似した問題が大なり小なり生じていると推察されます。
何れにせよ、新人アルバイトの方々のトレーニングは人材の定着や店舗のサービス品質を向上させる上で、また顧客満足度を高める上で大変重要なテーマです。
苦しい状況は理解できます。
しかしこの点が疎かになってしまえばどんな優良メニューを開発しても顧客満足度は、高められません。
この点の早急な対策と改善が必要だと、日本サブウエイにはエールの意味も込めて、ご提言申し上げます。
-コンサルタントの視点
-FC, SUBWAY, うまくいっていない, サブウエイ, トレーニング, フランチャイズ
執筆者:フランチャイズという選択
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