理不尽でバカ高なM&A仲介手数料
当ブログではフランチャイズオーナーの出口戦略と共に、フランチャイズ業界全体の活性化策としてフランチャイジー店舗(または事業)のM&A市場確立を提言しています。
このハードルとなっているひとつがフランチャイザー企業側の消極的な姿勢、あるいは頑固な姿勢ですが、もうひとつあります。
それはM&A仲介事業者のバカ高な手数料です。
仲介手数料で用いられているレーマン方式とは
M&A仲介事業者のほとんどは、「レーマン方式」という計算方法を用いて手数料を算出します。
レーマン方式とは不動産の仲介手数料のようなものであり、取引金額へ所定の率をかけた金額を仲介手数料として請求するのです。
もっとも、不動産仲介手数料は法律上3%+6万円と上限が定められています。
ところがM&A仲介手数料にはこうした規制がありませんので、バカ高な仲介手数料がまかり通っています。
具体的な例でご紹介すると、M&A仲介事業者の手数料として、次のようなパターンがよく見かけられます。
・取引額5千万円以下 10%
・取引額5千万円超1億円以下 8%
・取引額1億円超2億円以下 5%
上記をご覧になり、例えば売買取引額が2億円だったとしたら
「「取引額2億円以下」に該当するから、仲介手数料は2億円☓5%で1,000万円になる」
このように考えた方が多いと思いますが、そうはならないんですよ。
「取引額2億円以下」の意味がわかりにくのですが、「以下」の後に「の部分」と補い、「取引額1億円超2億円以下の部分」と読み直すと理解しやすくなります。
同様に「5千万以下の部分」、「1億円以下の部分」と読み直してみてください。
そうなると取引額が2億円の場合、「取引額(=2億円)の内5千万円以下の部分」については10%で計算する必要があります。
すると、5千万円☓10%でまず500万円となります。
次に5千万超から1億円以下の部分は8%となりますので、5千万☓8%で400万円。
・・・で、ようやく1億円超2億円以下の部分が5%で計算できますので、この部分が1億円☓5%で500万円。
この500万円と400万円、500万円を合算した「1,400万円」が税別の仲介手数料となり、これに消費税が加算されると総額は1千5百万を超える数値となります。
「2億円☓5%で1,000万円」より50%も高い手数料に跳ね上がる訳です。
バカ高過ぎる最低手数料!
もっとも、取引額が5千万だの1億だのといった金額ですから、フランチャイズチエーン1店舗のみの売買でしたらあまり当てはまらない金額です。
仮に年商規模で4千万円、営業利益が年間で400万円程度の店舗だったとすれば、売買される額はおよそ1千万円前後と考えられます。
では1千万なら全て「5千万以下の部分」になるので手数料は10%で100万円になるかというと・・・
またまた、こうはならないのです。
M&A仲介事業者は図々しくも「最低手数料」というものを定めているんですよ!
参考まで、M&A仲介事業者が定める最低手数料は良くて200万円程度です。
500万円程度は当たり前の水準で、中には1千万円を最低手数料としている場合もあります。
1千万前後の取引額に対し仲介手数料が500万・・
これでも十分暴利ですが、それが1千万となればもはや狂気の沙汰です。
後継者難などにより本来M&Aを必要としているのは、中小と言うより、小規模、零細企業です。
これら企業の売買取引額は5千万を下回る場合がほとんどであり、1千万~2千万といった取引額は当たり前の世界です。
そうした取引額に対してまで手数料は最低でも500万円だ、1千万だ・・・・
読者の皆様はどう思われますか。
このままで良いのか
このバカ高で理不尽な手数料に対して非難の声をあげているのは、決して私だけではありません。
多くの中小企業オーナーが高すぎると批判しているにも拘らず、M&A仲介事業者は涼しい顔をして「当然の報酬だ」と主張し一向に改めようとしません。
企業のM&Aは事業価値や資産状況を適正に評価する必要があり、高度な専門性が問われる面があるのは事実です。
その仕事に対し、一定レベルの報酬が必要になることも理解できます。
しかし、その点にあぐらをかいて高過ぎる報酬を当然と考える姿勢に私は全く共感できません。
仲介業者の皆さん、もう少し考えるべきではないでしょうか。
コンサルタントの視点
経済活性化を阻害するバカ高なM&A仲介手数料
目 次
理不尽でバカ高なM&A仲介手数料
当ブログではフランチャイズオーナーの出口戦略と共に、フランチャイズ業界全体の活性化策としてフランチャイジー店舗(または事業)のM&A市場確立を提言しています。
このハードルとなっているひとつがフランチャイザー企業側の消極的な姿勢、あるいは頑固な姿勢ですが、もうひとつあります。
それはM&A仲介事業者のバカ高な手数料です。
仲介手数料で用いられているレーマン方式とは
M&A仲介事業者のほとんどは、「レーマン方式」という計算方法を用いて手数料を算出します。
レーマン方式とは不動産の仲介手数料のようなものであり、取引金額へ所定の率をかけた金額を仲介手数料として請求するのです。
もっとも、不動産仲介手数料は法律上3%+6万円と上限が定められています。
ところがM&A仲介手数料にはこうした規制がありませんので、バカ高な仲介手数料がまかり通っています。
具体的な例でご紹介すると、M&A仲介事業者の手数料として、次のようなパターンがよく見かけられます。
・取引額5千万円以下 10%
・取引額5千万円超1億円以下 8%
・取引額1億円超2億円以下 5%
上記をご覧になり、例えば売買取引額が2億円だったとしたら
「「取引額2億円以下」に該当するから、仲介手数料は2億円☓5%で1,000万円になる」
このように考えた方が多いと思いますが、そうはならないんですよ。
「取引額2億円以下」の意味がわかりにくのですが、「以下」の後に「の部分」と補い、「取引額1億円超2億円以下の部分」と読み直すと理解しやすくなります。
同様に「5千万以下の部分」、「1億円以下の部分」と読み直してみてください。
そうなると取引額が2億円の場合、「取引額(=2億円)の内5千万円以下の部分」については10%で計算する必要があります。
すると、5千万円☓10%でまず500万円となります。
次に5千万超から1億円以下の部分は8%となりますので、5千万☓8%で400万円。
・・・で、ようやく1億円超2億円以下の部分が5%で計算できますので、この部分が1億円☓5%で500万円。
この500万円と400万円、500万円を合算した「1,400万円」が税別の仲介手数料となり、これに消費税が加算されると総額は1千5百万を超える数値となります。
「2億円☓5%で1,000万円」より50%も高い手数料に跳ね上がる訳です。
バカ高過ぎる最低手数料!
もっとも、取引額が5千万だの1億だのといった金額ですから、フランチャイズチエーン1店舗のみの売買でしたらあまり当てはまらない金額です。
仮に年商規模で4千万円、営業利益が年間で400万円程度の店舗だったとすれば、売買される額はおよそ1千万円前後と考えられます。
では1千万なら全て「5千万以下の部分」になるので手数料は10%で100万円になるかというと・・・
またまた、こうはならないのです。
M&A仲介事業者は図々しくも「最低手数料」というものを定めているんですよ!
参考まで、M&A仲介事業者が定める最低手数料は良くて200万円程度です。
500万円程度は当たり前の水準で、中には1千万円を最低手数料としている場合もあります。
1千万前後の取引額に対し仲介手数料が500万・・
これでも十分暴利ですが、それが1千万となればもはや狂気の沙汰です。
後継者難などにより本来M&Aを必要としているのは、中小と言うより、小規模、零細企業です。
これら企業の売買取引額は5千万を下回る場合がほとんどであり、1千万~2千万といった取引額は当たり前の世界です。
そうした取引額に対してまで手数料は最低でも500万円だ、1千万だ・・・・
読者の皆様はどう思われますか。
このままで良いのか
このバカ高で理不尽な手数料に対して非難の声をあげているのは、決して私だけではありません。
多くの中小企業オーナーが高すぎると批判しているにも拘らず、M&A仲介事業者は涼しい顔をして「当然の報酬だ」と主張し一向に改めようとしません。
企業のM&Aは事業価値や資産状況を適正に評価する必要があり、高度な専門性が問われる面があるのは事実です。
その仕事に対し、一定レベルの報酬が必要になることも理解できます。
しかし、その点にあぐらをかいて高過ぎる報酬を当然と考える姿勢に私は全く共感できません。
仲介業者の皆さん、もう少し考えるべきではないでしょうか。
-コンサルタントの視点
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執筆者:フランチャイズという選択
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