フランチャイズのモデル収支の見方・売上編 | フランチャイズという選択

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フランチャイズのモデル収支の見方・売上編

                      
フランチャイズのモデル収支の見方・そのポイント(売上編)

モデル収支と収支予測の違いとは

フランチャイザー側から提供される収支に関する情報には、段階に応じて、次の二つがあります。

 

・FC募集広告などで一般的に公開されている「モデル収支」(または収支モデル、収支シミュレーション、売上収支モデル等と呼ばれる場合もあります)

 

・FC加盟契約者に対し、出店エリアや入居するテナント等が確定した段階で提供される「収支予測」(または収支計画、あるいは売上計画)

 

前者はすぐに入手できる情報であり、後者は加盟契約後に提供される情報と言えます。

 

また、タイミング以外の違いとしては、前者は誰でも閲覧可能であり、モデルとして標準的な収支情報を提供しているだけなのに対し、後者は加盟者だけに提供されるものであり、出店エリアの市場分析に基づいて具体的に弾き出した、出店店舗限定の収支情報という違いもありますね。

 

さて、この二つの収支情報のうち、当ブログでは主に後者の方、即ち収支予測については何度か記事として取り上げて参りました。

 

が、モデル収支についてはほとんど取り上げていませんでした。

 

そこで本記事では、フランチャイズへの加盟を検討されている皆様方を対象に、FCの広告記事などに掲載されているモデル収支を見る場合、どのようなことに留意すれば良いか等、モデル収支確認時の基本的な考え方やポイントなどを売上編(本記事)と、費用編の2回に分けてアドバイスさせて頂きます。

 

モデル収支の「売上」はどの程度信頼して良いか?

まずはモデル収支の売上に対する信頼性という点です。

 

実際、私のもとにもFCの募集広告を手に

 

「このモデル収支は信用して良いのでしょうか?」

 

といった質問を頂くことが度々あります。

 

この点ですが、法律的なお話からお伝えしておきます。

 

あまり誇大なモデル収支情報を広告に用いると、独占禁止法に抵触するおそれが生じます。

 

本部が、加盟者の募集に当たり、上記(2)に掲げるような重要な事項について、十分な開示を行わず、又は虚偽若しくは誇大な開示を行い、これらにより、実際のフランチャイズ・システムの内容よりも著しく優良又は有利であると誤認させ、競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引する場合には、不公正な取引方法の一般指定の第八項(ぎまん的顧客誘引)に該当する。

出典:公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」

 

例えば平均月商の2倍、3倍もの売上をモデル収支として広告に掲示すれば、「ぎまん的顧客誘引」と見なされ、最悪刑事罰を受ける可能性もあり得るのです。

 

そのため、最初から詐欺を働く目的で架空のFC広告を打った等例外的なケースを除けば、実態とかけ離れた、根拠のないモデル収支を掲示しているケースは”あまりない”と基本的に考えておいて良いでしょう。

 

ただし・・・グレーゾーンと申しますか、きれいに線引ができないケースがあることも理解しておく必要があります。

 

例えば平均月商200万で、売上のバラツキが殆ど無い100店舗のFCチェーン店を事例に説明します。

 

その中で、たった1店舗だけ月商600万と飛び抜けた実積を収めていた店舗があったとしましょう。

 

このフランチャイズチェーン店が月商600万をモデル収支とするのは、さすがに無理がありますよね。

 

事実がバレたら、”誇大な開示”とみなされるでしょうから、社会的信用を重視する真っ当なFCであれば、この数字をモデルにすることはまず考えられません。

 

しかし、分母となるチェーン店の総数が3店舗で、1店舗が600万、残り2店舗の平均月商が200万だった場合はどうでしょうか。

 

モデル収支の売上は、必ず平均値にしなければならないといったルールがある訳ではありません。

 

月商600万というモデル収支に一定の合理的根拠があれば、ぎまん的勧誘と判断されない可能性は十分あります。

 

やや話が広がってしまいましたので、ここで要点を整理しておきますと

 

・法律的な観点から、誇大な売上をモデル収支として表示すると罰せられるおそれがあるので、真っ当なFCであれば根拠がある売上をモデル収支としている。

 

・ただしモデル収支の売上は平均値ではない。アーリーステージのFC等、店舗数が少ないFCは、最も売上が高い店舗の数字がモデルに採用されている場合もある。

 

となります。

 

誤解がないよう申し上げますが、決してアーリーステージのFCを悪者にしたい訳ではありませんし、モデル収支を信用するなと申したいのでもありません。

 

要は、情報を受け取る側が

 

「モデル収支は誇大な収支情報ではないが、誰でも実現できる、標準的な売上とは限らない」

 

との認識で、モデル収支の売上と向き合うことが大切だということを、ポイントとして申し上げたいのです。

 

モデル収支の売上がこんなケースだとしたら?!

 

さてさて、先程総店舗数が3店舗しかない例をあげましたが、その3店舗が次のような内訳だったとしたら、皆様はどのように感じますか。

 

・月商600万円の店舗:直営店

 

・平均月商200万円の2店舗:FC店

 

如何でしょうか?

 

こうなってくると、600万円というモデル収支の売上額が、かなり異質な数字に見えてきたのではないでしょうか。

 

少し横道にそれてしまいますが、特にアーリーステージのFCには直営店とFC店の月商に、大きな差が生じているケースは実際に見られます。

 

具体的な原因はケースバイケースですが、多くの場合は「人材育成を含めた店舗運営の標準化がきちんとされていない」ことに、ほぼ行き着きます。

(もし「標準化って何?」となった読者様におかれましては、

事業FC化の鍵:「オペレーションの標準化」

FCのマニュアル作りの基本は「カップめんの作り方」にあり!

などの記事がございます。

ただ、標準化について触れているのはこの2記事だけではございません。

 

ブログ内検索ボックスに「標準化」と入力し、検索を行なってみて下さい。

 

多数の記事がヒットすると思われますが、もしお時間があればそれらの記事にも目を通して頂ければ、「標準化」の意味について理解を深めて頂けると思います。)

 

何れにせよ、直営店とFC店との売上の大きな開きは、決して放置できる話ではありません。

 

FCのパッケージとして、重大な問題を抱えている可能性大ですので、こうした売上の差が激しいFCへの加盟は、オススメできません。

 

フランチャイズのモデル収支の見方・そのポイント(売上編)

話を元に戻しましょう。

 

こうしたケースがあり得ることから、収支モデルの売上を見る上でのポイントが、もう一つ見えてきたと思います。

 

収支モデルの売上は

 

 ・直営店を基準にしている場合

 

 ・全店舗を基準にしている場合

 

 ・FC店舗のみを基準にしている場合

 

の3通りがある。(一般的には「直営店売上>FC店売上」となっているケースが多いので、直営店売上を収支モデルの基準にすることが多い)

 

従って、収支モデルの売上は、この3つのどれに該当するかを、フランチャイザー側に確認することが大切である・・・

 

ということです。

 

モデル収支の売上を見る場合、この点にもぜひ留意するようにしてください。

 

次回はモデル収支の「費用」について解説致します。

 

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自己紹介

私は現在、コンサルタントとして

・事業のフランチャイズ化支援
・フランチャイザー企業の経営支援
・顧客満足度(CS)調査・改善

を主なテーマにコンサルティング活動を行なっております。
近年、企業経営者や個人の方々からFC加盟についても相談を受けるようになりましたので、お役に立てればと考えこのブログを開設いたしました。

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