フランチャイズチェーンへの加盟を検討されている皆様は、どのような情報媒体を主に活用されているでしょうか。
おそらく多くの方々が「アントレ」に代表される、フランチャイズ募集情報専門のサイトだと思われます。
FC募集専門のサイトは、貴重な情報源の1つであることは間違いありません。
しかしながらそれらのサイトを活用する場合には、留意して頂きたいことがあります。
■それだけに頼ってはいけない
■複数の情報源の中でメインの情報源にしてはいけない
以上二点を声を大にして申し上げたいのです。
私自身、自己紹介ページの中で語っている、独立後に加盟したFCの情報源は募集サイトではありませんでした。
ではなぜ募集サイトだけに頼ってはいけないのか、メインの情報源として活用してはいけないのか、その理由について説明します。
目 次
理由その1:優良FCは加盟者の自己増殖が必ず起きる
フランチャイズ募集専門サイトにだけ頼ってはいけない理由の1番めです。
そもそも優良フランチャイズチェーンは、加盟者による自己増殖が必ず起きるということです。
加盟者が自己増殖してくれれば、フランチャイザーは加盟者の募集広告にそれほど力を入れる必要がなくなります。
その結果、優良FCほど募集広告サイトを利用しなくなるのです。
よって優良FCを探し出すには、募集広告外で探し出す努力が必要になってくる訳です。
長期間募集を広告を出しているFCはダメなFCか
では長期間加盟者の募集広告を出しているフランチャイズチェーンは、ダメなFCとなるのでしょうか。
ダメなFCも”含まれている場合”はあります。
が、その一方、戦略的に募集を継続している優良フランチャイズチェーンもあります。
1つは知名度向上といった戦略もありますが、他にも出店戦略上の理由などがあるのです。
例えば出店エリア自体に人気、不人気がありますから、不人気エリアにおいてもバランスよくフランチャイズオーナーを募集し、出店したい場合などです。
このような場合は、優良FCでも募集が長期化しますね。
また、フランチャイジーの自己増殖をあえて抑制している場合もあります。
特定のフランチャイジーが続々と出店して特定地域を独占してしまうと、万一そのフランチャイジーの経営がおかしくなればフランチャイザー側への影響も大きくなります。
最悪共倒れになりかねません。
共倒れしないまでも、特定地域での店舗サービスに支障がきたすようなことがあれば、その地域でのブランドが著しく低下します。
そうしたリスクを抑制するため、出店数に上限を定めているケースがあります。
そのようなFCなら、フランチャイジー募集を定期的に行います。
従って広告を継続しているだけで悪いFCとの見方は短絡的であり、早計です。
理由その2:募集記事はメリット中心の広告記事である
理由の2つ目は、情報の質です。
加盟者の募集記事は「広告」だということです。
FC募集を専門で行っているサイトの使命は、いかに数多くの加盟希望者を集めるかです。
中には完全成功報酬で、募集記事を掲載しているサイトもあります。
それらのサイトは見込み客を集めるだけでなく、加盟にまで導くことがミッションになります。
その結果、事実情報を正確に伝えることより、一人でも多くのユーザーに募集内容に関心を抱かせ、加盟まで誘える広告記事にすることに力点がおかれがちです。
広告主だけでなく、自分達にとっても不利になるような情報をわざわざ掲載するサイトはありません。
FC加盟を検討している方々の興味を引ける、耳障りの良い情報や加盟した場合のメリットばかりが強調される訳です。
FC募集広告記事は募集情報を吟味する上で、非常にバランスが悪いんですね。
なので、募集専門サイトの情報だけで判断するようなことがあってはならないのです。
客観的な事実と特にデメリットを探求することが大切
ではどうすべきかですが、この見出しのとおりポイントは「客観的な事実」を軸に、特に「デメリット」を重点的に外部から情報を集めることです。
例えばフランチャイザーが上場企業であれば、「四季報」などは投資という観点からできるだけ客観的に企業業績を伝えようとしています。
企業側にとって耳の痛い情報もありますので、客観的な情報が得られるツールの一つです。
他にはフランチャイズ加盟者の口コミが読める掲示板のサイトだとか、意外に情報が多い「ヤフー知恵袋」なども目を通しておくべきです。
(ただし匿名情報ですので鵜呑みしないように)
また、優良FCは募集広告サイトは利用せず、自社のホームページだけで募集を行っている場合もあります。
面倒がらず、各社のホームページを訪問し、募集ページに目を通すようにしましょう。
もう一言加えるなら、例えば皆様が「こんな店舗を運営したい」と思えたチェーン店があったとしたら、募集広告サイトではなく店舗運営企業のHPを先に見て、加盟者を募集していないか確認することです。
ではHPを閲覧する際の留意点をご紹介します。
募集に関するページだけを閲覧するのではなく、代表者のメッセージには必ず目を通してください。
代表者が発信している情報に共感できなければ、加盟は見送るべきです。
上場企業であればIR関連情報の確認は必須ですね。
業績を数字で把握できます。
また見落としがちなのが「インフォメーションページ(履歴ページ)」です。
これらについても、一通り目を通すことが大切です。
誠実な会社であれば、商品やサービスの提供で不具合があった場合にも隠さず公表し、それらの問題にどう向き合い、どう対処したかも確認できます。
フランチャイズ加盟者の募集情報の収集は、正直、楽な作業ではありません。
私自身、それこそ探偵にでもなったようなつもりで、加盟先の情報を徹底的に集めました。
大変ですが、こうした努力がフランチャイズ加盟後の成功の第一歩と必ずなります。