目 次
FCオ-ナー経験者としても質問にお答えして参ります
先回、友人であるFCオーナーのインタビュー記事を2回にわたってお届けしましたが、お陰様でアクセス数が急増致しました。
お越し頂いた皆様に、心から御礼申し上げます。
また、この結果から、多くの読者の皆様がフランチャイジー側の”本当の声”を欲されていることに、改めて気付きました。
FCオーナーのインタビュー記事は、フランチャイズ広告やフランチャイズのポータルサイトを閲覧すれば、多数ご覧頂けます。
ただ、それらの大半はフランチャイザー側にとって都合の良いインタビューであること、フランチャイズオーナーの本音が反映されているものではないことに、皆様もお気付きになっていたのでしょうからね。
そこで、コンサルとしてではなく、フランチャイジーオーナー経験者として、読者の皆様からの質問にお答えしてゆく記事をあげることにしました。
今回ご紹介させて頂く質問は、次の内容です。(ご質問ありがとうございました。)
「フランチャイズオーナーになって、不安だったことはありますか?
その不安はどのように解消しましたか?」
FCオーナーとして一段落した頃強烈な孤独や不安感に遭遇
自己紹介の中でお伝えしているとおり、私はフランチャイザー側の経験がたっぷりありました。
そのため、フランチャイズに加盟しても不安なんか感じないだろうと高を括っていました。
実際、最初の店舗がオープンしてから暫くはドタバタが続きですから、その間は悩んでいる暇なんてなかったです。
ところが・・・
ドタバタが一段落し、自分を振り返る時間的な余裕が生まれた頃、言葉に言い表せない、強烈な不安感と孤独感に襲われましたね。
例えるなら、新入社員の方が研修が終わり、仕事にも少し慣れてきたタイミングで見舞われる「五月病」に大変良く似た症状だったと言えます。
当時売上は赤字でしたが、帳簿上の話であり、キャッシュフロー上は何ら問題はありませんでした。
それどころか、売上が上向き傾向であることは数字にも表れていたので、赤字だったことが原因ではなかったと思われます。
また、開店してから何か大きな問題やトラブルが生じたということもありません。
家族との関係という点でも家内も大変協力的で、店にもよく顔を出し、積極的に手伝ってくれていました。
・・・・といった状況だったので、今でもはっきりとした原因はわかりません。
また質問の主旨である
「不安だったことは何か」
についても恐縮ですが、はっきりお答えできないんです。
例えば資金繰りでも、運営面でのトラブルや悩みでもなく、そのまま言葉で表せば
「はっきりしないが、漠然とした不安」
となります。
あくまで1つの可能性ですが、毎月数百万の経費を支払っていかなければなりませんので、それらに対する漠然とした恐怖感を感じていたかも、自己分析しています。
もしその分析があたっていたとすれば、サラリーマンの方がFCで独立した場合、オーナーとしての仕事が一段落したタイミングで、私が遭遇したような症状に襲われる”かも”知れません。
サラリーマンの方や事業主としての経験がない方は、私の経験話を頭の片隅にでも置いておいて頂ければと思います。
不安感を克服するために取り組んだ4つのこと
次に、そうした不安や孤独感をどうやって解消したか、私が取り組んだことをお伝えします。
■家内に愚痴や不安を聞いてもらった
オーナーとして独立した際は、家内に心配をかけてはならないとの強い思いがありました。
しかし、原因不明の不安感に襲われたことから、そうした思いが自分を縛ってしまい、追い詰めているのではないかと考えました。
そこで、家内に事情を話し、仮に愚痴のようになったとしても、今現在感じていることを聞いてもらうことにしました。
家内には逆に負担と不安を少し与えたかも知れませんが、自分の気持を吐露できる場ができたことで、気持ちが上向いてきました。
■近隣の成功しているFCオーナーに面会を求め、話を伺った
近隣のオーナーですでに3店舗運営している方がいましたので、その方とお会いしてみました。
その目的は相談に乗ってもらうことではなく、「元気をもらうこと」だったと言えます。
後輩オーナーとして謙虚な気持ちで、成功の秘訣だとか、運営上のコツなど、色々とお伺しましたね。
結果ですが、お会いしたことは大変刺激になったし、エネルギッシュな方だったので目論見通り、元気も貰えましたね。
■スタッフとブレスト会議を開催した
スタッフとは業務ミーティングは頻繁に行なっていましたが、スタッフからアイデアや意見を求めることは、やっていませんでした。
そこでオーナーがいても萎縮することがないよう、ブレーンストーミングのルールを説明し、否定一切なしで、店舗改善に繋がることなら何でも自由に発言できる会議を実施してみました。
この結果、自分が気付けないようなユニークな発想や視点の意見が聞けたことや、スタッフが真剣に店のことがよくわかり、大いに勇気付けられました。
同時に、恥ずかしながら、自分がスタッフを支えているのではなく、スタッフから支えてもらっていることにも気付け、オーナーとして成長できる機会にもなりました。
■テーマやルールを定めずに、自分の気持ちをノートに書き出すようにした
例えば毎日書くだとか、何行以上の文章にする、テーマは何々といったルールや義務を設けず、自分の気持ちと向き合い、感じたこと、気付いたこと、嫌だったこと等々、とにかく自由にノートに書き出すことにしました。
するとぼんやりしていた気持ちや考えが、整理できるようになりましたね。
また、書き出した悩みを読み返してみると
「意外と大したことではないことに、悩んでいたんだなあ」
と気付けるようにもなりました。
代表的な取り組みは以上の4つです。
この内の1つが、ずば抜けて効果的だったということはありません。
それぞれの取り組みの効果は限定的だったが、それらが積み重なったことで不安や孤独感が克服できたと考えています。
以上が読者様から頂戴した質問への回答となりますが、経営者って孤独な職業だとつくづく思います。
ユニクロの創業者柳井氏ですら、「いつも心が折れそうだ」とインタビューに答えています。
ましてフランチャイズ加盟が経営者デビューとなる方でしたら、私のような経験をしても決して不思議ではありません。
もしそうした場面に遭遇したら、本記事を1つの処方箋としてご活用頂ければ幸いです。