令和2年、明けましておめでとうございます。
さて、百貨店の命運はCSによって決まると言っても、過言ではありません。
そのため、百貨店から依頼を受けるコンサルテーマのほとんどはCSです。
さこで今回は、FCではなく百貨店を事例に取り上げることにします。
舞台となったのは神奈川県横浜市にある京急上大岡店(念の為、同百貨店は私のクライアントではありません)、昨年末のクリスマスシーズンに実施された人気youtuberのイベントにおいて驚くべき光景を目の当たりにしたのです。
どんな光景で、何がCSという点で問題だったのか、ご紹介することにします。
その様相は順番待ちの行列!!!
その日私はFC加盟相談者のお会いするため、上大岡へ向かい、その後、せっかくの機会ですから京急上大岡店の視察することにした訳です。
すると、たしか化粧品や装飾品などが販売されているエリアだったと思いますが、どこからどう見ても「行列」にしか見えない人混みが発生していることに気付きました。
最初は人気商品の限定販売、あるいは有名人のサイン会か何かで行列が出来ていると思いましたね。
それで私も並んで見ることにしたのですが、一向に前進しない!
おかしいと思い、列から離れて遠方から行列の一番先を確認すると・・・
なんと、ゲーム音楽の作曲や天才的なピアノ演奏で大変人気を博している有名youtuberが、電子ピアノを演奏していたことに気付きました。
つまり、有名youtuberのライブ演奏を京急上大岡店がイベントとして実施していた訳ですが・・・
一言、これはあまりにヒドイ!
ファンの方の多くはこうした状況をたいして気にせず、後方からでも楽しまれていたようですが、CSという観点からとても合格点は差し上げられません。

周囲はほとんど囲まれず、直線的に人を並ばせているだけ!
もう少し状況を詳しく説明すると、人気youtuberの演奏は締め切られたドアを背に、売り場と売り場の間に挟まれた廊下のようなエリアで行われていたのです。
イスは人気youtuberをほぼ正面方向から見る位置に、30席~40席程度しか用意されていませんでした。
しかも、左右が挟まれている状況なので、イスに座れなかったお客様はイスの後ろに、まさに行列を作るように直線的に並ぶ以外なかった訳です。
通常、こうした楽器演奏のイベントであれば、360度は無理にしても、250度程度の囲むような観覧エリアを設けるのが望ましいというか、一人でも多くのお客様に人気youtuberを間近で見られるようにしたいと考えたなら、当然そうすべきでした。
つまり、催事を行う会場選びの時点で、大変な失敗を犯していたと思いましたね。
もし百貨店側の事情でどうしても廊下のようなエリア以外に適当な場所がなかったとすれば、せめて商品を陳列しているラックやケースなど、少々力仕事になったとしても移動できるものは移動させ、お客様を一人でも多く、できるだけYoutuberの側で観覧できるスペースを設けるべきだったと考えます。
こうした会場判断のミスや百貨店側の努力不足の結果、座れた一部のお客様を除けば、「行列」に並んだ大半のお客様は目の前に立っている人の後頭部を見るか、スマホを高々とあげて、小さなスマホ画面を覗くことでしか人気youtuberの演奏の様子を見ることができない状況に陥っていたのです。

(写真はイメージです)
お客様を威圧するように立っていた誘導係
問題点は会場だけではありませんでした。
会場のすぐそばが普通の売り場だったため、商品を見るふりをし、立ち止まってイベントを観覧しようとするお客様が当然現れます。
そこで、それを阻止するために、売り場側には誘導員が複数配置されていたのですが・・・
まあ、商品を見るために立ち止まっているのか、それとも見るふりをして立ち止まっているのかは、すぐには判断できません。
それを見分けようと、誘導員の視線が多少険しくなるのは仕方ないかも知れませんが、誘導員によっては睨み付けているように”見える”人物もおり、CSを重視すべき百貨店側の対応として、決して好ましい状況とは言えませんでした。
百貨店側の事情はお客様には無関係
少し京急上大岡店のフォローをさせて頂くなら、クリスマスシーズンという百貨店最大の多忙期において、イベント会場を確保するのは大変だったと思います。
中には、私がこの記事で指摘したような問題点を憂慮しいていたスタッフの方もいたかも知れません。
ただ、百貨店側のそうした事情はお客様にとっては無関係です。
どのような環境や条件下であっても、それに甘んじることなく、お客様の満足度を最大にできるよう尽力することが百貨店に求められます。
また、「成功」した思えるようなイベントも、何らかの改善点や反省点は必ずあるものですし、それを積極的に見出し、更に改善を重ねることがCSを高めてゆくうえで不可欠です。
このことを京急百貨店へのメッセージとしてお伝えしたいと思います。
コンサルタントの視点
京急上大岡店の催事に唖然
令和2年、明けましておめでとうございます。
さて、百貨店の命運はCSによって決まると言っても、過言ではありません。
そのため、百貨店から依頼を受けるコンサルテーマのほとんどはCSです。
さこで今回は、FCではなく百貨店を事例に取り上げることにします。
舞台となったのは神奈川県横浜市にある京急上大岡店(念の為、同百貨店は私のクライアントではありません)、昨年末のクリスマスシーズンに実施された人気youtuberのイベントにおいて驚くべき光景を目の当たりにしたのです。
どんな光景で、何がCSという点で問題だったのか、ご紹介することにします。
目次
その様相は順番待ちの行列!!!
その日私はFC加盟相談者のお会いするため、上大岡へ向かい、その後、せっかくの機会ですから京急上大岡店の視察することにした訳です。
すると、たしか化粧品や装飾品などが販売されているエリアだったと思いますが、どこからどう見ても「行列」にしか見えない人混みが発生していることに気付きました。
最初は人気商品の限定販売、あるいは有名人のサイン会か何かで行列が出来ていると思いましたね。
それで私も並んで見ることにしたのですが、一向に前進しない!
おかしいと思い、列から離れて遠方から行列の一番先を確認すると・・・
なんと、ゲーム音楽の作曲や天才的なピアノ演奏で大変人気を博している有名youtuberが、電子ピアノを演奏していたことに気付きました。
つまり、有名youtuberのライブ演奏を京急上大岡店がイベントとして実施していた訳ですが・・・
一言、これはあまりにヒドイ!
ファンの方の多くはこうした状況をたいして気にせず、後方からでも楽しまれていたようですが、CSという観点からとても合格点は差し上げられません。
周囲はほとんど囲まれず、直線的に人を並ばせているだけ!
もう少し状況を詳しく説明すると、人気youtuberの演奏は締め切られたドアを背に、売り場と売り場の間に挟まれた廊下のようなエリアで行われていたのです。
イスは人気youtuberをほぼ正面方向から見る位置に、30席~40席程度しか用意されていませんでした。
しかも、左右が挟まれている状況なので、イスに座れなかったお客様はイスの後ろに、まさに行列を作るように直線的に並ぶ以外なかった訳です。
通常、こうした楽器演奏のイベントであれば、360度は無理にしても、250度程度の囲むような観覧エリアを設けるのが望ましいというか、一人でも多くのお客様に人気youtuberを間近で見られるようにしたいと考えたなら、当然そうすべきでした。
つまり、催事を行う会場選びの時点で、大変な失敗を犯していたと思いましたね。
もし百貨店側の事情でどうしても廊下のようなエリア以外に適当な場所がなかったとすれば、せめて商品を陳列しているラックやケースなど、少々力仕事になったとしても移動できるものは移動させ、お客様を一人でも多く、できるだけYoutuberの側で観覧できるスペースを設けるべきだったと考えます。
こうした会場判断のミスや百貨店側の努力不足の結果、座れた一部のお客様を除けば、「行列」に並んだ大半のお客様は目の前に立っている人の後頭部を見るか、スマホを高々とあげて、小さなスマホ画面を覗くことでしか人気youtuberの演奏の様子を見ることができない状況に陥っていたのです。
(写真はイメージです)
お客様を威圧するように立っていた誘導係
問題点は会場だけではありませんでした。
会場のすぐそばが普通の売り場だったため、商品を見るふりをし、立ち止まってイベントを観覧しようとするお客様が当然現れます。
そこで、それを阻止するために、売り場側には誘導員が複数配置されていたのですが・・・
まあ、商品を見るために立ち止まっているのか、それとも見るふりをして立ち止まっているのかは、すぐには判断できません。
それを見分けようと、誘導員の視線が多少険しくなるのは仕方ないかも知れませんが、誘導員によっては睨み付けているように”見える”人物もおり、CSを重視すべき百貨店側の対応として、決して好ましい状況とは言えませんでした。
百貨店側の事情はお客様には無関係
少し京急上大岡店のフォローをさせて頂くなら、クリスマスシーズンという百貨店最大の多忙期において、イベント会場を確保するのは大変だったと思います。
中には、私がこの記事で指摘したような問題点を憂慮しいていたスタッフの方もいたかも知れません。
ただ、百貨店側のそうした事情はお客様にとっては無関係です。
どのような環境や条件下であっても、それに甘んじることなく、お客様の満足度を最大にできるよう尽力することが百貨店に求められます。
また、「成功」した思えるようなイベントも、何らかの改善点や反省点は必ずあるものですし、それを積極的に見出し、更に改善を重ねることがCSを高めてゆくうえで不可欠です。
このことを京急百貨店へのメッセージとしてお伝えしたいと思います。
-コンサルタントの視点
-京急上大岡店
執筆者:フランチャイズという選択
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