先回業務委託とフランチャイズの違いをご紹介したところ、今度はVC、即ちボランタリーチェーンとフランチャイズチェーンの違いについても説明して欲しいとのご要望を賜りました。
ボランタリーチェーン(以下VCとします)とフランチャイズチェーン(FCとします)は類似していると言うより共通点が多いため、その違いはなかなか理解しにくいものです。
そこで今回はVCとFCの共通点と違いをわかりやすく整理します。
目 次
VCとFCの共通点は?
VCとFCの共通点には次のような事項があげられます。
●チェーン店を束ね、チェーン店全体の経営戦略立案や商品開発、広告宣伝、資材供給などを行う本部組織があること。
●その本部組織に対してロイヤルティーや広告委託費などを支払うこと。
●加盟店は(本部が供給できる資材については)本部から資材を仕入れること。
●本部組織に所属するスーパーバイザーもしくは、スーパーバイザーに準じる立場の職員が定期的に臨店指導を行うこと。
●商標やロゴ、ユニフォームや看板、メニューや店舗オペレーションはチェーン店全体で共通しており、それを守ることが義務付けられていること。
●加盟している各チェーン店はそれぞれ独立した経営組織体であること。
VCとFCの違いとは
このようにVCとFCには多数の共通点があります。
一体何が違うの、全く同じじゃないかと思われた方も多いと思いますが、次の三点において決定的な違いがあります。
■本部の違い
・VC:加盟している各チェーン店が出資し合うなどにより、加盟者同士が有志となって主体的に組織した本部である。
・FC:成功している事業を生み出したフランチャイザー企業が、チェーン店の単体本部となる。
■本部と各加盟店の関係の違い
・VC:本部は加盟経営者同士の組合的組織である。加盟店経営者は本部の運営を一部果たす会員であったり、役員として関わったりする。
・FC:本部と加盟店の関係はそれぞれ個別一対一の関係である。加盟店経営者がフランチャイザー企業の経営までに関与することは通常ない。
■加盟店同士の関係の違い
・VC:本部を共に形成している仲間として、加盟店同士の横のつながりはとても大きい。
・FC:加盟店同士の個人的なつながりや加盟店有志による自主的な交流を除けば、それぞれ独立した関係であり、組織上のつながりはないため一般的には希薄である。
VCとFCの違いはこのように整理されます。
大変似ているチェーン店形態ですがご紹介したような違いもありますので、この機会によく覚えておくようにしてください。