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加盟説明会に参加料請求という愚行
随分前でしたが、お付き合いのある経営者の方から御連絡を頂いたのですが、それが大変御立腹した様子。
「おかしいと思わないか!」と意見を求められたので詳しく尋ねてみると、あるフランチャイズチェーンの加盟説明会に参加すべく申込をしようとしたら5千円ほど参加料を請求されたとのこと。
そのFCはイートインの飲食店FCだったようですが、内訳としては参加料というより、試食代として5千円出せということだったようです。
今時加盟説明会の参加者に試食代を請求するFCがあるのかと逆の意味で関心がわきましたが、なぜわざわざ説明会参加のハードルをあげるようなことをしたか、正直理解に苦しみました。
■参加料を請求したフランチャイズチェーンが理解できていないこと
フランチャイザーにとって、FC説明会に参加してもらうことはかなり骨が折れるところ。
参加者にしてみれば貴重な時間を奪われる訳ですし、また、会場や店舗までの交通費は自己負担となります。
参加料が無料でも一定の負担は強いられている訳です。
それだけに、貴重な時間と交通費をかけて参加してくれた参加者の方にチェーン店で利用できる商品券や割引券などを進呈されるケースの方が珍しくありません。
そのような現状がある中で試食代を請求するとなれば、説明会参加に対する大きなブレーキになるだけでなく、今回御立腹された経営者の方のように検討者の心象を悪化させてしまいます。
■飲食費を求めても良いケースはあるが・・・
検討されている方が、「顧客」の立場で個人的に訪問したというケースなら、飲食費の負担を求めても構いません。
(私は、加盟検討者側にそうした自己負担が発生する状況も良くないと考えています。
そこで飲食系のフランチャイザー企業には、試食会だけでなく、顧客目線でオーナー候補者が検討できるよう、2回分程度の食事券やサービス券を進呈することをアドバイスしています。)
しかし説明会に参加される加盟検討者の方々はFCビジネスモデルを買うかどうかを検討されている方々であって、商品を買いにきた客ではないのです。
説明会の一環として行なわれる試食は、FCのビジネスモデルを理解して頂くためであり、お代を頂く商品提供とは一線を画すはずです。
そのような観点からも、試食会で費用負担を求めるべきではありません。
■参加費無料がフランチャイザー企業のたしなみ
自動車販売において試乗は無料が当たり前となっている中、わざわざ試乗を有料化している自動車ディーラーを選んで車を購入しようというお客様はいるでしょうか?
それと同様に試食は無料が当たり前です。
更には、検討されている方々に個別来店を促す意味で無料券を提供しているフランチャイザーだって、決して珍しくありません。
何らかのポリシーがあって試食会を有料にしたのかも知れませんが、それはポリシーというより私見の押し付け、あるいは自社のエゴです。
何より、こうしたことで検討されている方々の心象を害することにフランチャイザーとしてのメリットはありません。
説明会に参加して頂いた参加者には、試食は試食として気持ちよく無償で振る舞うこと。
それがフランチャイザーとしての常識であり、たしなみです。