目 次
「投資資金の回収期間は○○ヶ月です」の○○はどんな数字が適正なの?
今回の記事では、これもかなりご相談が多いテーマですが、FC投資資金の回収期間についてアドバイスさせて頂きます。
初期投資額の回収は業種業態、規模の大小、さらにはフランチャイズ企業が提案しているビジネスモデルによって異なってきます。
そのため、各フランチャイズチェーンが「初期投資額は○○ヶ月で回収できる」と説明する際、「○○」の部分はかなり幅が生じることになり、その結果、○○の数字の適正度がわかりにくくなっている面が確かにあります。
○○にはどんな数字が入るのが適正なのか?
結論から先に申し上げれば、FCによって異なるとなります。
更に言えば、同じFCであっても出店プラン次第で○○の適正数字は異なってくるということを、前提にしておいて頂く必要があります。
つまり、機械的に数字を当てはめて「このFCは資金回収が早くできる」あるいは「かなり遅い」といった判断することは、それこそ”不適切”です。
その数字を適切に判断するのは容易なことではありません。
場合によって私達のようなプロの力も利用して、慎重に丁寧に見極める努力が大切になってきます。
その上で!、ですが、あえて○○に具体的な数字を入れて提案させて頂きます。
投資資金の回収は12ヶ月を目指せ?!
「投資資金の回収は○○ヶ月」の○○にどんな数字を入れたら、ある程度汎用性のある数字になるかですが、それはずばり
「12」
です。
と言いましても、中には初期投資がほとんど不要というFCもありますので、そうした例外的な投資額のFCは除外した上での話です。
だいたいの目安ですが、300万円以上の初期投資が伴うFCは1年で回収できたら、合格点、あるいは優良と考えて頂いて結構です。
中にはFC本部の試算で、標準的な初期投資額回収が6ヶ月となっているケースもあります。
ただ、本部のシミュレーションはだいたい甘い数値で計算されています。
6ヶ月で回収できるケースはゼロではない、ぐらいの話として考えておくべきです。
要はそのようなFC事業であっても、12ヶ月以内の回収であれば合格点と考えるようにすれば、初年度は焦らず、じっくりと運営に取り組めます。
逆に、初期投資額回収が「20~24ヶ月程度」で回収できる(のが理想)とされているFC事業もあります。
12ヶ月はその約半分ですから、かなりタイトですね。
ただ、これほど時代変化が激しい、先行き不透明な時代において、仮に24ヶ月が堅実で、理想的な回収期間だったとしても、その数字を前提にし過ぎるのは少し危険です。
当たり前の話ですが、初期投資額は業種業態に関係なく、できるだけ短期間で回収できた方が良いに越したことはありません。
そこで、24ヶ月で回収できるとしているFC本部にぜひ尋ねて頂きたいことがあります。
「加盟者の中で、投資識見を最短で回収できた方は、どれくらいの期間で回収しましたか?」
という質問です。
そうすれば、FC本部としては自慢できる話なので、具体的な事例を教えてくれます。
その結果、もし一例でも12ヶ月で回収を果たした加盟者が実際にいるなら、ハードルは少々高くとも12ヶ月での回収を「目標」とすべきです。
一方12カ月で回収できた加盟者はないが、最短で15ヶ月の方ならいるという場合です。
この場合は12カ月を理想目標として掲げつつ、実現目標としては「15ヶ月」を設定することをオススメします。
FC加盟は競争ではありません。ただし
一つ憶えておいて頂きたいことがあります。
FCチェーンに加盟したら、営業マンの月次成績表同様、加盟店の売上をランキングやグラフ形式で公表される場合があります。
その数字で高ければ優越感を感じ、低ければ劣等感を感じてしまうかも知れません。
フランチャイザーもFCオーナーを奮起させるためにそうした数字を公表しているのですが、どうか本質は見失わないでください。
皆様はチェーン店内で競争するためにFCに加盟する訳ではありませんよね。
極論ですが、最下位であってちゃんと収益がでており、融資の返済も滞りできているなら、順位を気にして一喜一憂する必要は全くありません。
ただし、投下資金を1日でも早く回収するとの目標は皆様にとって必須の目標です。
単純な売上順位比較ではなく、早期に回収を実現した先輩FCオーナーの努力はお手本にすべきですし、その実績に追い付き、追い越すという良い意味でのライバル心は大切です。
この点を混乱されることなく、しっかりと目標を掲げて頂きたいと思います。