無責任なデマを発端にトイレットペーパーが小売店から姿を消しただけでなく、トイレを備えた飲食店などにおいてはトイレットペーパーが盗まれる事態まで発生している・・・
なんとも嘆かわしい話ですが、かと言ってフランチャイザーもフランチャイジーもこの事態を軽視すべきではありません。
理由はただひとつ!
用を足したくなってトイレに駆け込んだら、トイレットペーパーがなかったとなれば、お客様に迷惑をかけるというレベルの話ではなくなります。
その時の辛さや、大げさに言えば絶望感が脳裏に焼き付き、その店舗へ二度と足を運びたくなってしまいます。
つまり、今日のトイレットペーパー騒動に関係なく、トイレを備えているFC店舗にとってトイレットペーパーを切らさないようにすることは、店舗運営において実に重要なテーマだからです。
そこで今回は、FC店舗でトイレットペーパーを切らさない対策、特に「盗まれない」ための対策を軸に、経験を交えて対策をお伝えします。
目次
トイレットペーパー対策その1:お客様に声をかけて頂く
対策の一番として提案するのは、トイレを利用されるお客様に利用時前に店舗スタッフへ一言、声をかけて頂くようにすることです。
お客様にとって少々面倒なプロセスになりますが、社会状況から十分に理解は得られるはずです。
一言声をかけて頂ければ、お客様とスタッフが互いにアイコンタクトを行うことになるので、お客様の「つい出来心で」となる心理状況をかなり抑止できます。
では声をかけて頂く仕組みはどう作れば良いかですが、トイレの入口前に「トイレ利用時にはスタッフにお声がけください」と張り紙をしておくことです。
ただし、スタッフの目が届きにくく、且つ店舗入口からすぐにトイレへ入りやすい位置にトイレがある場合で実効性が伴わないという場合には、やむを得ませんので、容易に取り外しできるストッパーなどをトイレドアに取り付ける等の対策も検討しましょう。
トイレットペーパー対策その2:トイレ巡回チェック表のお客様への掲示
トイレを巡回・チェックした場合にスタッフのサインや認印を押すトイレの巡回チェック表を活用しているFC店舗は多いと思われます。
チェック表は業務管理上のフォーマットなので、トイレを利用するお客様の目につかないようにしているFCもありますが、チェック表がお客様の目にとまればトイレットペーパー対策になります。
チェック表をトイレのドア近くなど、トイレ内部の目立つ位置に掲示させておきましょう。
ただし、トイレットペーパー対策として効果を高めるには、多少の演出が必要になります。
一般的には1時間おきに巡回してチェック表にサインや認印を押すことになっている場合が多いでしょうが、1時間おきではタイミング次第では悪意をもったトイレ利用者には安心感を与えてしまいます。
したがって、チェック表の記録頻度を10分~少なくとも15分間隔に切替え、この店舗は頻繁にトイレチェックを行っているとアピールすることが大切です。
「10分~15分間隔でトイレチェックするなんて無理だ!」
そんな声も聞こえてきそうですね。
昨今のトイレットペーパー対策には、店舗スタッフの方々には作業負担となってしまいますが、トイレ内の確認頻度を増やすことは避けられません。
ただ、どうしても難しいという場合には、”チェック表上だけでも”チェックした回数を増やしておきましょう。
もしチェック表に詳細な時間を書き込むようになっているなら、その部分を時間帯のみの記入に改めた上で、時間帯ごとのマスを5~6マスに増やしておくことです。
例えば午後3時を例にするとこんな感じですね。
その上で、トイレ巡回が30分に一度が限界という場合には、チェックを行った担当者が上記表であればひとつではなく3つのマスを埋めるようにします。
そうすれば、このチェック表を見たお客様は「この店舗は10分おきぐらいにトイレを巡回している」と認識してくれます。
本来なら実際に行った方が望ましいことですので、この方法を推奨している訳ではありません。
どうしても手が足りないといった非常手段としてご理解ください。
トイレットペーパー対策その3:トイレットペーパーホルダーの上にメッセージを表示
トイレットペーパーを盗もうとする輩がトイレ内で必ず目に場所と言えば、やはりホルダーです。
特にホルダーのロールカバー部分は最も目立つ場所ですね。
このカバー部分を活用しない手はありません。
この部分にお客様への注意書きを表示しておくことも、FC店舗にとっては必須の対策と言って良いでしょう。
しかしながら、あまりに露骨な注意書きはお客様の心象を害します。
そこで
「トイレットペーパーの確認、補充は頻繁に行っておりますが、
トイレットペーパー不足で困っております。
使いすぎはくれぐれもご注意ください。」
といった程度の注意書きにとどめておくことをオススメします。
上記のような文面であれば、さりげなくトイレットペーパーの管理をかなり行っていることのアピールにもなりますので。
トイレットペーパーの管理はCSにおいて重要
今日のトイレットペーパー問題により、トイレットペーパー管理の重要性を改めて認識したFCも決して少なくないのではないでしょうか。
冒頭でもお伝えしましたが、盗難問題が起きなかったとしても、お客様が緊急でトイレを利用したい状況下でトイレットペーパーがなかった場合の状況を想像してみてください。
トイレを備えているFC店舗にとって、トイレットペーパーを切らさないことは決して小事ではないのです。
これを機会にトイレットペーパー管理の方法を見直し、お客様が安心してトイレを利用できる環境の実現に邁進してください。