カレーチェーン店の代表格と言えば、海外を含め、1400店舗以上の運営数を誇るCoCo壱番屋です。
CoCo壱番屋はフランチャイズチェーンとしても有名ですが、ご存知の方も多いかと思われますが、一般的なFC加盟と異なるシステムを採用しています。
それが「ブルームシステム」です。
今回はCoCo壱番屋 のブルームシステムに対する見解をお伝えすることに致します。
目 次
ブルームシステムはオススメしません!理由1:脱落率が高い
まずブルームシステムを加盟検討者へすすめるかどうかですが、私はオススメしていません。
その大きな理由のひとつは、脱落率が高いことです。
ブルームシステムでは9割が脱落するとも言われていますが、話半分だったとしても、脱落率としては「高すぎ」との評価になります。
ブルームシステムに応募したとしても、半数以上の方はFCオーナーとして独立できないということです。
本来のFCの考え方に則れば、”一定の要件を満たした方”がFC契約した場合には、原則100%なれるべきであり、また100%成功させるべきだと考えております。
(お断りしておきますが、”誰でも”契約すべきとの主張ではございません。
また「CoCo壱番屋のシステムはFCではなくブルームシステムだ」とのご意見もあるかも知れません。
しかし同社自体が「独立支援制度での”フランチャイズ加盟”」と表現しています。
であれば、フランチャイズの基本は踏襲すべきだと考えます)
ブルームシステムはそうしたフランチャイズビジネスの理念から程度遠く、独立したくとも出来ない可能性がかなり高い以上、とてもオススメする気にはなれません。
ブルームシステムはオススメしません!理由2:合理性より精神論や根性論が優先されている
一国一城の主として独立することは、確かに生易しいことではありません。
一定の厳しさもないと、一人前の経営者に成長できないのも事実です。
とは言え、これだけ時代の変化が著しい中、そうした素養を評価するのに4年も5年もかけるのはナンセンスと言わざるを得ません。
社会経験のない、高卒や新卒社員をじっくり時間をかけて育てるというならともかく、一定の社会経験を積んだ方々を対象としている訳です。
一家の大黒柱として家計の収入を支えなければならない立場の方もいるでしょう。
そのような方々の人生を左右することになるのですから、引導を渡すならできるだけ速やかに提示することが武士の情けだと思います。
それを2年で独立を果たせる人物は例外中の例外で、ブルームシステムで独立するには大半は4~5年以上、壱番屋の社員として残業や休日出勤を厭わず働くことが求められます。
しかも先述した通り、4~5年頑張ったとしても必ず独立の切符が確約される訳ではありません。
ブルームシステムは、なんというか古き悪しき体育会系的根性論、精神論が見え隠れし、本来のフランチャイズビジネスへの拘りが強い私としては、どうしてもそのような仕組みは好きになれません。
このブログでお伝えしているとおり、フランチャイズシステムとは本来
「加盟する事業の経営について知らない人が”合理的に、効率的に”事業経営を行え、成功できる仕組み」
がパッケージ化されたものです。
そのような意味でもう一言加えますと、時代変化が著しい中、フランチャイザーには
「一定の要件を満たした加盟候補者をできるだけ早期に合理的、効率的に一人前のFCオーナーを養成できるノウハウ」
が求められます。
それができないからいたずらに時間をかけてるように”見える”のは私だけでしょうか。
ブルームシステムを通じて自分を鍛え上げることはできる!
以上お伝えしてきたことは、フランチャイズビジネスの本質に拘っている私の私見であり、価値観に基づくものです。
中には体育会的根性論や精神論を肯定的に捉える方もいるでしょう。
「修行期間中は正社員としてちゃんと給料も貰える。急いで独立するより時間をかけて準備したい」
こう考える方もいるでしょう。
そのような方々に対してまで、ブルームシステムへの参加はやめておけとは申しません。
むしろ、そうした価値観をお持ちの方にとって、ブルームシステムは経営者としての自分を鍛え、高めるという点では有効に機能すると思われます。
Coco壱番屋のFCオーナー継続率が9割を超えるのも、厳しい修行時代に培われたタフな精神力の賜物なのかも知れません。
また、FC独立の切符を獲得できれば、1店舗3千万~4千万程度の開業資金のほぼ全額の融資が受けられる点は大きな魅力です。
開業資金の工面は、サラリーマンだった個人の方が独立する場合に大きな障害になっていますので、この条件は私も高く評価させて頂いております。
その大きなハードルともなる資金問題が、4~5年の修業に耐え切ることを条件にクリアできるとなれば、資金面で悩んでいる方にはむしろ大きなチャンスを提供しているとも言えます。
挑戦することを止めることまでは致しません。
ただそうであっても、これまで述べてきたような理由から、私はオススメする気持ちにはなれません。
また、挑戦したいという方も、その道のりは決して甘くないこと。
おそらく想像以上に厳しいことは覚悟しておいて頂きたいと思います。