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現役フランチャイズオーナーへインタビュー実施
先回、コンサルではなくオーナー経験者としてフランチャイズのデメリットを語りましたが、今回は現役オーナーの声を直接お届けるすることにしました。
ご紹介する現役のフランチャイズオーナーは、私のクライアントではなく、本音を語り合える旧知の間柄です。
従って、遠慮や忖度は一切無し!
現役フランチャイズオーナーとしての「本音」で、インタビューに答えて頂きました。
尚インタビュー内容は本日と明日の2回、前編と後編に分けてご紹介します。
前半は主に加盟してから現在に至るまでの経緯を中心に、後半は今後の戦略や加盟を検討されている方々のアドバイスなどが主な内容です。
今回はその前半となります。
あなたがフランチャイズに加盟した理由は?
■フランチャイズ加盟前は何をしていましたか?
「私は平凡なサラリーマンでしたよ。
資産家の道楽息子でもなければ、企業オーナーでもありません。
従って加盟する前は商売の経験もありませんでした。」
■フランチャイズに加盟しようと思った理由は?
「加盟理由は、一つです。
成功のパッケージと時間を買いたかったから。
自分で一からビジネスモデルを組み立てて、それを軌道乗せるなんてこと、どれだけ時間がかかるかわからない。
それに商売の経験がない者が一からビジネス考えても、上手くゆく可能性は大変低いだろうと考えていました。
じゃあ、成功しているビジネスモデルと一から事業を起こす時間をお金で買おうと。それがフランチャイズビジネスだった訳です。」
■フラチャイズに加盟することに不安はありませんでしたか?
「不安?
あまりなかったですね。
フランチャイズ加盟を考えるなら、日本ではなく本家アメリカのフランチャイズ事情を学べと○○(私の名前です)さんが口癖のように言ってましたから(笑)、それをやりました。
そしたら、自分で独立する場合より大変成功率が高い選択であることに、改めて確信が持てましたからね。
つまりフランチャイズビジネスを選ぶことには不安はなく・・・むしろワクワクしていました。
ただ、良いフランチャイザーに加盟できるかどうかが成功のカギですから、その点では不安というより、悩んだり、迷ったりしたことは多々ありますね。」
■加盟時の資金はどう準備しましたか?
「自己資金としては500万ぐらいしか、ありませんでしたよ。
後は現在の政策金融公庫からの借金で、まかなうつもりでした。
甘いとお叱りを受けそうな話ですが・・・
実績のあるフランチャイザーならリースも組みやすいだろうから、それも加えると何とかなるだろうと(笑)。
退職時ならともかく、サラリーマンの方が2千万も3千万も全額キャッシュで用意するって無理だと思います。
私のように500万ぐらい自己資金があれば、2千万前後の出店資金なら、融資とリースを組み合わせることで何とかなります。
ただ、金融機関から信用のないフランチャイザーに加盟しては無理ですけどね。」
加盟した後大変だったことや苦境はあったか?
■どんなフランチャイズに加盟しましたか?
「具体的な加盟先は公表できませんが、最初は飲食のFCです。
飲食のFCがある程度軌道に乗ってきた頃、マッサージ系のフランチャイズに加盟しました。」
■加盟後順調に売上は伸びていったのでしょうか?
「順調とは言えませんでしたね(笑)。
○○さん(私のことです)の自己紹介記事をブログで読ませて頂きましたが、最初は似たような状況でしたよ。」
■加盟後苦労があったようですが、大変だったことを聞かせてください。
「最初の立ち上がりから店を軌道に乗せるまで、大変でしたね。
店の存在を知ってもらう必要があるから、特に初期は広告費をかける必要がある。
しかし、初期はスタッフが仕事になれていないので、ギリギリで回すなんて無理だから、余裕を持って人員を入れる必要がある。
けど、店舗立ち上げで借金を背負っている状況ですから、資金余力なんてない訳ですよ。
そこで少しでもお金を浮かすためにやったことは、オーナー自ら店舗要員として働くことでした。
特に最初の3ヶ月ぐらい完全無休で1日12時間以上、オープンからクローズまで馬車馬のように働きましたね。
でも売上がなかなか上がらず、しばらくは月度で赤字が続きました。
この時、不安を感じなかったかと言えば、ウソになります。」
■そうした不安や苦境をどうやって乗り越えましたか?
「この点、きっとフランチャイズ加盟を検討している方々が一番知りたいことだと思いますが、上手く言葉が見つかりませんね・・・
しっかりしたフランチャイズに加盟していることが前提ですが、その選択が間違っていなければ、乱暴な言い方ですが、頑張っていたらなんとかなります。
自分が必死に店の仕事をしていると店の状況がよく分かるようになるし、スタッフへの指示も的確になってくるんですね。
そうなると店の生産性だとか、サービス、清掃状況、つまりQSCのことですが、レベルが段々上がってきて、それと共に売上も上昇してきたんです。
研修の時は「QSCが大事だ」とトレーナーが連呼していましたが、正直、研修を受けている時はピンときてなかったですね。
それでQSCの大切さが、経営者として遅まきながら理解できたことで、不安が解消したんです。
「これ(QSC)を頑張って良くすれば、売上がついてくるんだ」と確信が持てたからですね。
その後はQSCを向上させるためにマニュアルやSV(スーパーバイザー)のアドバイスに頼るだけでなく、スタッフを巻き込んで、話し合って色々なことを実行しました。
全ての対策がうまくいった訳ではないでしょうが、いつの間にか赤字は脱却し、しっかり利益を残せる店に成長していたという感じです。」
以上前半です。