目 次
学習塾フランチャイズチェーンは再流行の兆し?
武田塾やトライ個別などの躍進事例から、フランチャイズチェーンの中で学習塾がにわかに注目を浴びるようになってきました。
私のもとにも、学習塾FC加盟に関する相談でお越しになる方が増えたことは、実感しています。
学習塾FCは今から30年以上前になりますが、第一次と言えるブームがありました。
その後、少子化に加えて学習塾数の激増により低迷期がありましたが、昨今は第二次ブームと言って良いぐらい、学習塾ではなく「学習塾FC」に勢いがありますね。
学習塾FCを検討する方が増加することは、決して悪いことではありません。
しかし、希望者の増加に比例して、学習塾のフランチャイズ選びで最も大切なポイントを見落としている方が増えていることが大変気になっています。
そこで本記事では学習塾FCを選ぶ場合の重要ポイントとは何か、またなぜそれが重要なのかを、お伝えすることに致します。
学習塾フランチャイズ選びの最重要ポイントはたった一つ!
学習塾フランチャイズチェーンの中から、加盟先を選ぶ上で最も重視しなければならないポイントとは何か?
難しく考える必要はありません。
学習塾の顧客は、なぜお金を支払って学習塾を利用しているのか、その理由を考えれば良いだけです。
その理由こそが学習塾業界全体の存在意義であり、またビジネスとして成り立つ原点となります。
学習塾を顧客が利用している理由(=ニーズ)とは
「成績を向上させたい((受験専門の学習塾や予備校では)志望校に合格したい)」
です。
学習塾FCへの加盟を検討されている皆様は、こうした顧客のニーズに答えることが仕事となることを、よく自覚して頂きたいと思います。
学習塾に通っている生徒達になぜ学習塾へ通塾するか尋ねた場合
「成績を上げたいから」
と答える生徒達は、意外に限られます。
例えば
「勉強がわかるようになりたい」
と答える子もいれば
「苦手教科を克服したい」
と、なかなか優等生的な答えをする子もいます。
中には
「楽しいから」
と答える子もいます。
しかし、これらは表現の違いの範囲です。
勉強がわかるようになれば、あるいは苦手教科が克服できれば、「成績が上がる」という結果(目に見える成果)に行き着くことになります。
また成績が伸び悩んでいる状況で、「塾が楽しい」と答えられる子も限られます。
成績アップによって保護者や先生、あるいは友人から褒められたといった経験が
「塾に通うことが楽しい」
と思える原動力になるのです。
また、学習塾はサービスの直接利用者である生徒だけでなく、主にサービス料を負担している保護者の方々へサービスの成果をわかりやすく伝える必要があります。
「お子さんは勉強がわかるようになっていますよ」
といった抽象的な説明を聞かされても、何の説得力もありません。
学習塾の評価は、成績向上や志望校合格といった目に見える成果をどれだけ出せたかで決まるということです。
仮に生徒募集ノウハウに優れている学習塾FCに加盟し、しばらくはそこそこ生徒数を獲得できたとしても、近郊に成果を上げるノウハウで大きく勝る競合学習塾が進出してきたら、生徒を奪われ、生き残ってゆけなくなります。
逆に、生徒募集は少々下手でも、成果を着実に出せるフランチャイズであれば、実積が口コミを通じて周辺地域に浸透することで、生徒はやがて集まってきます。
だからこそ、どれだけ受講している生徒の成績を向上させているかは、学習塾FC選びで最も重視しなければならないのです。
多くの学習塾FCの募集広告内容は情報商材化している
学習塾のFC募集広告を見ると、大半の学習塾FCが
・売上(または生徒数)
・生徒募集ノウハウ
・運営の容易さ
・講師の確保の容易さ
これらの4点ばかりを競うように、重点的に訴求しています。
ところが、学習塾に通った生徒達がどれだけ成績向上したか、逆転合格を果たしたかの実績を訴求している学習塾FCは、悲しいことに、あまり見かけることができません。
残念な現象ですが、私はこうした広告実態に対して、フランチャイザー側だけを責める気にはなれません。
ご紹介したような4つの訴求点に力を入れた方がオーナーを獲得しやすいので、そうしているに過ぎないからです。
つまり、FC加盟を検討している皆様がそれらを欲しているから、それに呼応して力を入れているのです。
これら4つの訴求点をひとまとめにしたなら、こう表現できます。
「うちの学習塾に加盟すれば運営が楽で、しかも儲かりますよ」
このフレーズを読んで
「1日ちょっとの作業でこれだけ儲かります!」
といったキャッチコピーで販売されている情報商材のようだと感じるのは、私だけでしょうか。
学習塾FCに加盟を検討されている皆様へ、お尋ねします。
皆様は、学習塾の運営をしたいのでしょうか。
それとも、楽をして儲けたいだけなのでしょうか。
決してイヤミではなく、楽をして儲けたいのでしたら、学習塾FCは選ばない方が賢明です。
全国に約5万もある学習塾業界の中で、生き残ってゆくのは並大抵のことではないからです。
成績アップを通じ、生徒達に自信を与え、将来の可能性を切り開くことで感謝される意義のあるビジネスだからこそ、学習塾FCに加盟したいと考えている皆様は、情報商材のようなキャッチコピーに踊らされてはなりません。
学習塾としてのミッションをどのように果たそうとしているか、どんな実績を上げ続けているか、この点をシビアに追求してください。
学習塾という「資産」を作ることが大切です!
今回はかなり厳しい、辛口な記事になってしまいましたが、決して儲けを度外視した、浪花節的な精神論、理想論を語っている訳ではありません。
私がこだわっている持論でもありますし、このブログでもお伝えしてきたことですが、FCオーナーになるということは
「資産を形成すること(形成できること)」
であるし、でなければならないと思います。
つまり儲かることは加盟する上で、必須の条件です。
この大前提のもとに先程述べたような見解を申し上げていることを、どうかご理解ください。
資産である以上、あっという間にその価値が失われてしまっては意味がないのです。
長期間にわたってその資産価値が維持されるには、運営の容易さではなく、生徒の成績を着実に上げる強固なノウハウがあることが大事なので、その点を厳しい口調でお伝えしてきた訳です。
要は、それができる学習塾FCへ加盟すれば、資産となる=儲け続けることができるということです。
成績を上げるためにオーナーが直接教える必要はない!
また、もう一点誤解がないようお伝えしておきますが、いくら生徒の成績を上げることが大切だからと言っても、オーナー自身が生徒達を直接勉強を教える必要はありません。
学習塾FCオーナーの役割はその塾の長として、塾の運営を担うことです。
講師を務めることではないからです。
長年教師を務めてきた経験があるので、それを活かしたいからという理由で学習塾FCの加盟を検討される方々もいます。
そのような方々には、
「講師兼務は反対しないが、生徒や保護者から(自分の)授業に対する感想や評価を定期的に確認してください」
とアドバイスしています。
その結果、もしお客様の評価が悪ければ、自分という講師を躊躇せず首にし、自分より評価される講師を採用するのが「オーナー」の仕事だともお伝えしています。
自分に対して客観的であり、且つ厳しいこと・・・
これは学習塾に限らず、FCオーナーとして成功する上で大切な条件です。
本記事の内容と併せて、ぜひ覚えておいてください。