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FC加盟先を探す場合に最も利用するのが募集広告だが・・・
FCの加盟先を選ぶ場合、私自身もそうでしたが、大半の方々がFC加盟の募集広告記事を頼りにします。
しかし「広告」は広告です。
内容に虚偽がなかったとしても、所詮広告ですから良いことしか説明されていません。
例えば広告の中で登場するのは決まって
「成功しているFCオーナー」
です。
しかも場合によっては
「例外的に成功しているFCオーナー」
という場合もあります。
仮に正直なフランチャイザーが、上手くいっていないFCオーナーの意見も広告に掲載したいと考えたとしましょう。
上手くいっていないのですから、広告に利用されたら恥が拡散することになります。
つまりFCオーナー側が、広告に協力したいとは思わないですよね。
その結果、必然的に「成功しているFCオーナーの紹介」となってしまう訳です。
■人間は一度自分が「良い」と思ってしまうと自己否定しにくくなる
人間は自分が一旦「良い」と思ってしまうと、自己否定したくないという防衛的本能から無意識に良いと思える情報を集めたがり、悪い情報は避けるようになったりします。
そうしたバイアスがかかった状態になってしまうと、冷静な評価や判断がしにくくなります。
こうした状況で加盟先を選べばかなりの確率で
「こんなはずでは・・・」
となってしまいます。
また、残念なことに日本のフランチャイズ加盟の現状は「こんなはずでは・・・」となってしまった方が、少なくありません。
フランチャイズビジネスのコンサルティングを行っている者として、個人であろうと、法人であろうと、FCを事業として選択されようとしている方には、一人としてそうした思いをして欲しくないです。
FC加盟広告は加盟先を探す上で大切な情報源となりますので、決して「見るな」と申したいのではありません。
ただし広告を見る場合には、この記事でお伝えした「バイアスがかかること」を前提として目を通すようにしてください。
情報を受け取る側の冷静さや批判的な視点が大切なのです。
■加盟を検討しているフランチャイズチェーンの悪い情報を徹底的に収集する
では冷静な視点や合理性のある視点はどう培えばよいかですが、一つの方法として私自身が実際にやっていた方法をご紹介します。
それは、検討中のフランチャイズチェーンに関する「悪い情報」をとにかく徹底的に集めることです。
フランチャイザー企業名と例えば「失敗」だとか「問題」といったネガティブな検索ワードを組み合わせて検索を行えば、たくさんの悪い情報を集めることができます。
場合によっては某大手の掲示板をのぞいてみるのも良いでしょう。
こうした取組みが逆のバイアスとして有効に働いてくれます。
わかりやすく言えば「恋ざめする」という表現に例えることができるでしょうか。
特に募集広告で気分が盛り上がっていた場合に、プラスとマイナスのバイアスで打ち消し合うことで冷静になれます。
■悪い情報は全て事実という訳ではない
ネット上の悪い情報は根拠のないうわさレベルの話や、全くのデタラメ情報も含まれています。
全ての情報を信じることなどできません。
しかし、それで良いのです。
悪い情報についてその真相を確認をする前に、加盟への熱意が冷めてしまったというなら、所詮その程度の思い入れしかなかったということです。
一方、「この情報は正しくないのでは」と疑念が生じた場合に、事実かどうか確かめるべく調べようという意欲があるなら、それだけ自分が真剣に検討している証だとわかります。
また、事実がどうか追求すればフランチャイザーに対する客観的で冷静な見識を深める機会にもできます。
FCに限りませんが、全て長所だけ、メリットだけで欠点のないビジネスなど存在しません。
広告は長所・メリットのオンパレードですから、くれぐれも広告だけで加盟の是非を判断しないことです。
加入したいと思えたフランチャイザーが見つかったなら、ご紹介したような取り組みを通じ、短所やデメリットについてもしっかりと調べた上で判断するよう心掛けてください。