目 次
疑問を持つのは良いことです。が・・
フランチャイズへの加盟を検討している方の中で、もし
「店舗を出して儲かるなら、そもそもなぜFC本部は自分で出店しないのか?」
という疑問がある方は、フランチャイズビジネスについてもっと勉強して頂く必要があります。
この記事でしっかりとお答えしますので、ぜひ学んでいって下さい。
出店にはお金がかかります!
まずはシンプルな理由です。
このパートの見出しのとおり、店舗を出店するにはFC本部、即ちフランチャイザー企業も当然お金がかかります。
1店舗3,000万で済んだとしても、4店舗出せばそれだけで1億2千万必要です。
ロードサイト店になると1店舗だけでも1億、4店舗なら4億もの大金が必要になってきます。
仮に4億のキャシュを持っていたとしても、それを全部出店費用へまわすわけには参りません。
研究開発や人材教育、新しい設備導入などにも資金が必要ですからね。
となると、金融機関から出店資金を調達する必要があります。
しかし、ご承知のとおり、どんな金融機関であっても無限に融資してくれる訳ではありません。
要するに、フランチャイザーだって儲かるとわかっていたとしても、借金も含め、無い袖まではふれないのです。
その点で、他社資本なら自分の懐事情に左右されないで出店できます。
つまり他社資本を利用しての、合理的な出店方法としてあみ出されたビジネスモデルがフランチャイズビジネスだった、とも言える訳です。
ブランドや知名度獲得には出店スピードも重要です!
先程ご紹介した資金調達の話とも関わりますが、他社資本ならスピーディーに出店できることも大きな理由です。
自前の資金だけでやろうとなると、資金調達などに時間がかかってしまいます。
その点でフランチャイズなら、多少オーバーな例ですが、加盟者を100件集めることができれば短期間、同時進行で100件の出店も可能になる訳です。
では出店スピードが加速するとどんなメリットがあるかですが、それはズバリFCの生命線と言って良い「地域でのブランドの確立」です。
全国的にブランドを確立したり、知名度をあげたりするには、ネットやテレビで広告を流すだけでは無理なんです。
いくらテレビCMを流したところで、例えば北海道に1店舗も店がなければ、北海道の方々から関心などもって貰えるはずはありません。
自分の街やよく利用ている駅の近くに店舗があってこそ、そうした広告も活きてきますし、地域的なブランドや知名度も確立できるのです。
フランチャイズに限らず、日本の企業間競争は熾烈です。
もし出店にもたついてしまえば、オセロゲームのように、出店できていない地域を他社に占領されてしまうおそれがあります。
そうなった場合、後からのこのこ出店しても、なかなか知名度もあがらず苦戦するのは目に見えています。
地域にいち早く根付き、ブランドや知名度を確立するには、出店のスピードも極めて重要になるのです。
人材としての事業主に対する期待があります!
資金的な話や出店スピードの話は、フランチャイズに関連するサイト記事でも紹介されているかも知れません。
が、これからお伝えする3つ目の理由は、ザーとジーの両方を経験した私だからこそ、自信をもってお伝えできる話だと思います。
一言で表すなら「人材」という理由です。
直営店で出店するとなると、経営的センスも持った店長職を担える人材が店舗数に応じてどうしても必要になります。
しかし、店長を担える人材を短期間で大量に採用・養成するのは容易ではありません。
無理に育成したところでそれは粗製乱造になってしまい、却って店舗の運営品質低下を招きます。
また、店舗運営はある意味「経営」そのものです。
ところが正社員の店長は身分が守られており、経営上のリスクは伴いません。
そのため、店舗経営において多少の甘さが出てしまうんです。
(経験から断言できます。
私自身も、私の同僚も、私の先輩の店長も多かれ少なかれ、正社員という身分に間違いなく甘えていました。)
その点でフランチャイジーオーナーは場合によっては借金まで背負って大金を投じ、人生をかけて店舗運営に臨む立場です。
店舗運営に賭ける意気込みや姿勢など、直営の社員など足元にも及ばないのです。
人材に関する理由はもうひとつあります。
と言っても、全てのフランチャイジーオーナーに当てはまる訳ではありません。
例えば地元で何らかの事業に取り組んできた企業経営者がフランチャイジーオーナーになってくれれば、直営店での出店ではなかなか得られない地域での人脈も得ることができます。
フランチャイザーとしてはこうした期待もあって、社員による直営店運営ではなくフランチャイジーによる店舗展開を行っている訳です。
以上でお分かり頂けたでしょうか。
フランチャイザー企業が直営店ではなく、フランチャイジーを募集して出店するのにはこうした合理的な、戦略的な理由があるからです。
決して搾取してやろう、ダマシてやろうといった悪意があって募集している訳ではありません。
(一部のけしからん悪徳企業は除きますが!)
フランチャイズという選択自体は、決して間違っていません。
自信をもって加盟先の検討に取り組んでください!