またまた政策に関するテーマとなりますが、今回の軽減税率に伴って導入されるインボイス制度は、日本経済に深刻な影響をもたらすものであり、決して賛成できません。
先にお断りしておきますが、私は免税業者ではありません。
しかしながら、今回の措置は回りまわって適格請求書発行事業者にも悪影響や不利益をもたらすからです。
インボイス制に対する反対論は、主に消費税の納税免税業者の立場から発信される場合が多いのですが、今回は、消費税納税事業者の立場と申しますか、主に発注する側の立場からの問題点を指摘させて頂きます。
発注者側の不利益その1:発注先の選択肢が減る
インボイス制が導入されれば、消費税納税に耐えきれず、廃業という選択をされる個人事業主や小規模企業が増えることが確実視されています。
また、個人事業主として独立する条件に適格請求書発行事業者が加わることになりますので、独立を志す方々にとってもブレーキになってしまいます。
そうなれば発注者側から見れば、「選択肢が減る」ことを意味します。
「売上1,000万を超えられない小規模事業者は、実力がない事業者ばかりだ。潰れても仕方がない」
といった暴論を見かけましたが、開いた口が塞がりません。
売上=仕事の質と本当に言えるでしょうか?
個人事業主として、あるいはベンチャーとしてスタートを切ったばかりの企業に売上が伴なわないの当然です。
私自身の経験ですが、独立したてのフリーランスの方との出会いがあり、その方に試みとしてFCマニュアルのストラクチャリング(デザインや内容、構成を見直して更に向上させる仕事のことです)を依頼したのですが、こちらが驚くぐらい、大変高い質の仕事でアウトプットしてくれました。
しかも、実力を踏まえれば大変割安な言い値で取引させて頂けましたので、私としては大変良い取引にもなりました。
もし、インボイス制といった改悪が実行されればこうした出会いが大幅に絶たれることを意味します。
それで本当に良いのでしょうか?
発注者側の不利益その2:発注価格が高止まりする
例えばクラウドソーシングには、在宅でお小遣いを稼ぎたいと考えて参加している主婦の方々も多数いますが、インボイス制はこうした主婦の方々に「業務を委託」する場合も容赦なく適格請求書発行事業者になるかどうかを迫ります。
お小遣いが稼げれば十分と考えている方々がわざわざそんな面倒で大変な負荷を負ってまで、適格請求書発行事業者を選択するとは思えません。
その結果、スポットでの業務委託を時給換算で900円~千円ぐらいのレベルで引き受けてくれる層が激減することが想定されますね。
そうなったら、残るは請求処理も組織的にこなせる事業者か、一定の実績を積み、高単価で仕事が取れるフリーランスの方々がとなります。
もちろん、大掛かりなプロジェクトだとか、コストをかけても質を重視したい場合には良いでしょうが、どなたでもできる簡単な仕事だが、手が足りていないのでスポットで業務を委託したいという場合もあるはずです。
インボイス制が強行された結果、発注先が「適格請求書発行事業者」ばかりとなれば、発注価格を重視したい仕事の発注でもムダに高止まりしてしまうおそれがあるということです。
発注者側の不利益その3:景気の悪化

消費税納税の免除事業者の数は、およそ500万です。
インボイス制導入により、この数がどうなってしまうか考えただけでおそろしいのですが、確実に言えることは、免税事業者の大半の経済活動が委縮することは確実です。
5万の事業者数の景気が悪化するというなら影響はまだ限定的でしょうが、日本全体で850万の事業者の内の500万です。
景気に悪影響を及ぼさないと考える方が無理があります。
そうでなくとも、日本は今回の消費税増税に加え、少子化による人口減、更には2025年問題と景気を悪化させる不安材料がひかえている状況なんです。
本格的な財政出動を伴う景気刺激策を行っても効果は限定的でしょう。
であれば、売り上げ1,000万以下の方々にとって「益税」なんてほとんど生じていない状況だと思いますが、仮に益税があったとしても、それを回収することで景気を悪化せることにどれだけの経済政策の効果があるというのでしょうか。
また、500万の免除事業者も間違いなく日本の「雇用」に一定の役割を果たしていることは間違いありません。
適格事業者になることを求められ、そうした事業者が廃業に追い込まれた場合、そこで生まれていた雇用も失われることになり、失業者増大=景気悪化と言う公式のような結果に至ることが目に見えています。
だからこそですが、インボイス制は納税事業者にとっても対岸の火事などでは決してないのです。
インボイス制は断固反対致します!
コンサルタントの視点
インボイス制に断固反対する
またまた政策に関するテーマとなりますが、今回の軽減税率に伴って導入されるインボイス制度は、日本経済に深刻な影響をもたらすものであり、決して賛成できません。
先にお断りしておきますが、私は免税業者ではありません。
しかしながら、今回の措置は回りまわって適格請求書発行事業者にも悪影響や不利益をもたらすからです。
インボイス制に対する反対論は、主に消費税の納税免税業者の立場から発信される場合が多いのですが、今回は、消費税納税事業者の立場と申しますか、主に発注する側の立場からの問題点を指摘させて頂きます。
目次
発注者側の不利益その1:発注先の選択肢が減る
インボイス制が導入されれば、消費税納税に耐えきれず、廃業という選択をされる個人事業主や小規模企業が増えることが確実視されています。
また、個人事業主として独立する条件に適格請求書発行事業者が加わることになりますので、独立を志す方々にとってもブレーキになってしまいます。
そうなれば発注者側から見れば、「選択肢が減る」ことを意味します。
「売上1,000万を超えられない小規模事業者は、実力がない事業者ばかりだ。潰れても仕方がない」
といった暴論を見かけましたが、開いた口が塞がりません。
売上=仕事の質と本当に言えるでしょうか?
個人事業主として、あるいはベンチャーとしてスタートを切ったばかりの企業に売上が伴なわないの当然です。
私自身の経験ですが、独立したてのフリーランスの方との出会いがあり、その方に試みとしてFCマニュアルのストラクチャリング(デザインや内容、構成を見直して更に向上させる仕事のことです)を依頼したのですが、こちらが驚くぐらい、大変高い質の仕事でアウトプットしてくれました。
しかも、実力を踏まえれば大変割安な言い値で取引させて頂けましたので、私としては大変良い取引にもなりました。
もし、インボイス制といった改悪が実行されればこうした出会いが大幅に絶たれることを意味します。
それで本当に良いのでしょうか?
発注者側の不利益その2:発注価格が高止まりする
例えばクラウドソーシングには、在宅でお小遣いを稼ぎたいと考えて参加している主婦の方々も多数いますが、インボイス制はこうした主婦の方々に「業務を委託」する場合も容赦なく適格請求書発行事業者になるかどうかを迫ります。
お小遣いが稼げれば十分と考えている方々がわざわざそんな面倒で大変な負荷を負ってまで、適格請求書発行事業者を選択するとは思えません。
その結果、スポットでの業務委託を時給換算で900円~千円ぐらいのレベルで引き受けてくれる層が激減することが想定されますね。
そうなったら、残るは請求処理も組織的にこなせる事業者か、一定の実績を積み、高単価で仕事が取れるフリーランスの方々がとなります。
もちろん、大掛かりなプロジェクトだとか、コストをかけても質を重視したい場合には良いでしょうが、どなたでもできる簡単な仕事だが、手が足りていないのでスポットで業務を委託したいという場合もあるはずです。
インボイス制が強行された結果、発注先が「適格請求書発行事業者」ばかりとなれば、発注価格を重視したい仕事の発注でもムダに高止まりしてしまうおそれがあるということです。
発注者側の不利益その3:景気の悪化
消費税納税の免除事業者の数は、およそ500万です。
インボイス制導入により、この数がどうなってしまうか考えただけでおそろしいのですが、確実に言えることは、免税事業者の大半の経済活動が委縮することは確実です。
5万の事業者数の景気が悪化するというなら影響はまだ限定的でしょうが、日本全体で850万の事業者の内の500万です。
景気に悪影響を及ぼさないと考える方が無理があります。
そうでなくとも、日本は今回の消費税増税に加え、少子化による人口減、更には2025年問題と景気を悪化させる不安材料がひかえている状況なんです。
本格的な財政出動を伴う景気刺激策を行っても効果は限定的でしょう。
であれば、売り上げ1,000万以下の方々にとって「益税」なんてほとんど生じていない状況だと思いますが、仮に益税があったとしても、それを回収することで景気を悪化せることにどれだけの経済政策の効果があるというのでしょうか。
また、500万の免除事業者も間違いなく日本の「雇用」に一定の役割を果たしていることは間違いありません。
適格事業者になることを求められ、そうした事業者が廃業に追い込まれた場合、そこで生まれていた雇用も失われることになり、失業者増大=景気悪化と言う公式のような結果に至ることが目に見えています。
だからこそですが、インボイス制は納税事業者にとっても対岸の火事などでは決してないのです。
インボイス制は断固反対致します!
-コンサルタントの視点
- 問題点, インボイス制, 反対
執筆者:フランチャイズという選択
関連記事
経済対策提言 逆消費税10%の導入を!
武漢肺炎による深刻な経済的影響を打破するため、自民党の若手を中心に消費税ゼロが提言されていますが、私は更に「逆消費税」を提案します。 逆消費税とは国民が消費を行ったら消費税を取られるのではなく、逆に国 …
警告「 Apple IDがロックされています」というお知らせ
目次1 今度は「Apple IDがロックされている」とのお知らせ2 仙台市のメガネ店は全く無関係です3 ただし、リンク先の偽造サイトは巧妙 今度は「Apple IDがロックされている」とのお知らせ 先 …
京急上大岡店の催事に唖然
令和2年、明けましておめでとうございます。 さて、百貨店の命運はCSによって決まると言っても、過言ではありません。 そのため、百貨店から依頼を受けるコンサルテーマのほとんどはCSです。 さこで今回は、 …
モスバーガー不振の原因について語ります
モスバーガーはメディアなどから「業績不振」と指摘されて久しい状況となっており、本ブログでもモスバーガーの分煙判断を厳しく指摘致しました。 しかしながら、モスバーガーの業績不振は決して分煙 …
韓国は「付き合いにくいクライアント」と割り切るべき
このブログでは政治的な話は極力避けるようにしてきましたが、ザーもジーもFC展開において海外進出をするべきと主張している以上、隣国である韓国について、触れない訳にはいかなくなってきました。 韓国羽田・ソ …